「効果が出ていない気がして、基礎化粧品を何度も買い替えている…」
このように化粧品に迷走中の方は、自分の肌質を把握できていない可能性が高いです。
たとえば、「脂性肌かと思っていたら、インナードライの乾燥肌だった」ということもあります。
そこでこの記事では、自分の肌質をセルフチェックする方法を解説。
さらに肌質別に起こりやすいトラブルと改善策まで紹介しています。
化粧品の効果をしっかり実感するためにも、ぜひチェックしてみてください。
【この記事の監修者】
Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院長
中島 由美 先生
2002年 金沢医科大学医学部 卒業、金沢医科大学病院 小児科、内科勤務
2004年~2018年 大阪、神戸、東京、福岡の病院、クリニックで内科、皮膚科勤務
2018年 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル内に医科開設
体の内側と外側をトータルで考えた、健康的な美しさを引きだすエキスパート。
ちょっとした身体の不調から、内科、美容、アンチエイジング、ダイエットにいたるまで様々な分野に精通。
一人ひとりのパーソナリティやライフスタイルに寄り添った丁寧な診療が、幅広く厚い支持を集めている。
Contents
【肌質診断】肌質をセルフチェックしてみよう
美肌になるには、まず自分の正確な肌質を見分けることが大切です。
【肌質セルフチェック方法】
- 洗顔後に顔を軽くふき、何もつけずに10分間待つ。
- 鏡で肌状態の変化を確認し、「Tゾーン、頬」にそれぞれ10秒間あぶらとり紙を押し当てる。
- あぶらとり紙の油のつき具合をチェックする。
【肌質診断結果】
- あぶらとり紙が肌につかない
- 肌のつっぱりを感じず、目元、口元の小ジワも気にならない
→普通肌 - あぶらとり紙が肌につかない
- 肌のつっぱりを感じ、目元、口元の小ジワが気になる
→乾燥肌 - Tゾーン、頬ともにあぶらとり紙が肌につく
- 肌のつっぱりを感じず、目元、口元の小ジワも気にならない
→脂性肌 - Tゾーンのみあぶらとり紙が肌につく
- 部分的に肌のつっぱりを感じ、目元、口元の小ジワが少し気になる
→混合肌
肌質は毎日の食生活や生活習慣、加齢など、様々な要因で変わるもの。
当然ながら、肌質に合っていない化粧品を使っているとなかなか効果を実感しづらくなります。
美肌を実現するには、常に今の肌の状態を見極めることが重要です。
「化粧品が合っていない気がする」というときは、その都度セルフチェックをしてみてください。
自分の肌質について詳しく知りたい方は、皮膚科や専門のサロンで診断してもらうのがおすすめ。
専門医による問診や、肌スコープを使っての正確な肌診断を受けることができます。
保険診療として受けられる場合もあるので、まずは相談してみましょう。
肌質の特徴5つ(普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌)
上述のとおり、肌質は「普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌」の大きく5種類。
おもに「水分※1と油分※2のバランス」で分けられます。
※1 汗腺から分泌される汗
※2 皮脂腺から分泌される皮脂
水分 | 油分 | 起きやすい肌トラブル | |
普通肌 | 適量 | 適量 | なし |
乾燥肌 | 少ない | 少ない | カサつき/粉吹き/かゆみ/つっぱり/しわ/湿疹/くすみ/シミ |
脂性肌 | 多い | 多い | ニキビ/テカリ/赤み/ベタつき/毛穴詰まり/毛穴開き |
混合肌 | 少ない | 多い | おでこや鼻のテカリ/頬や口周りの乾燥/季節や環境による肌荒れ |
敏感肌 | 紫外線、化粧品、ほこりなどの刺激に敏感な肌状態 | 乾燥/ヒリヒリ染みる/かゆみ/赤み/ニキビ/湿疹/炎症 |
※タップ・スクロールで該当箇所に移動します。
普通肌は理想的といわれていて、水分と油分のバランスが整っている状態。
肌トラブルが起こりにくく、いわゆる”美肌”と呼ばれる肌質です。
一方、他4種類の肌質はややバランスが傾いているため、肌トラブルが起きやすい状態。
スキンケアで水分や油分を整える必要があります。
セルフチェックで普通肌以外だった方は、自分の肌質の特徴をチェックしておきましょう。
乾燥肌
乾燥肌は水分、油分ともに少なく外部刺激に弱い状態。
かさつきや粉吹き、つっぱり感を感じることが多いのが特徴です。
そもそも肌は水分や油分を保つことで、外部刺激や異物の侵入から肌を守る”バリア機能”があります。
健康な肌にツヤや弾力があるのも、肌本来の保水機能が正常に働いているからです。
乾燥肌はバリア機能が低下しているため、刺激を受けるとかゆみや湿疹といった症状が見られることがあります。
また紫外線ダメージも受けやすいので、シミやシワなどの紫外線の悪影響にも注意が必要です。
脂性肌
脂性肌は油分(皮脂)が過剰に分泌している状態。
ホルモンバランスや生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアが主な原因です。
本来皮脂は肌表面を覆って、肌の水分を逃さないフタのような役割をしています。
ただし過剰分泌されると毛穴に詰まり、毛穴の黒ずみや毛穴開き、ニキビを引き起こしかねません。
テカりやベタつきなど見た目にも影響し、化粧崩れを起こしやすい原因にもなります。
混合肌
混合肌はTゾーンのおでこと鼻はテカりやすく、頬や口周りなどは乾燥しやすいのが特徴。
その名の通り、脂性肌と乾燥肌が混在している肌質です。
ちなみに、日本人の7割ほどが混合肌といわれています。
季節の移り変わりの時期や心身のストレスなど、環境によって混合肌になる場合も多いです。
敏感肌
すべての肌質に共通して起こりうるのが敏感肌です。
角層が乱れ、肌本来のバリア機能が低下した状態のこと。
ほこりや花粉、化粧品に含まれる成分などに反応し、アレルギー症状としてかゆみや痛み、赤みが見られることがあります。
「顔が脂っぽいのにヒリヒリする」など、肌タイプにかかわらず併発することもありえるでしょう。
季節や体調によって引き起こされることもあるので、肌に刺激を感じる場合は要注意です。
【肌質、肌悩み別】効果的なスキンケア
肌質を改善するためには、肌質と肌状態に合ったスキンケアをするのがカギ。
「どんな化粧品を買えばいいのかわからない」という方は、ぜひ今後の参考にしてみてください。
乾燥肌
乾燥肌の改善には、不足している油分と水分の両方を化粧水とクリームで補うことが大切。
特にクレンジングや洗顔で油分を奪いすぎないのがケアのポイントです。
【クレンジング/洗顔】
・ミルクタイプやジェルタイプなどの肌にやさしいクレンジングを使う
(オイルなどの脱脂力の強いものは避ける)
・常温に近いぬるま湯で洗う
【化粧水】
導入液(ブースター)などの使用で化粧水のうるおいをしっかり取り入れる
【乳液/クリーム】
こっくりとしたテクスチャや保湿力に優れたアイテムでしっかりとフタをする
化粧水や乳液は高保湿成分配合のものを選びましょう。
- セラミド
- ヒアルロン酸
- スクワラン
毎日しっかり保湿しても効果を実感できない…という場合は、角質ケアを取り入れるのもおすすめ。
美容液タイプのピーリングなど、肌に刺激を与えすぎないマイルドなアイテムを選んでください。
脂性肌
脂性肌の改善するには、皮脂を抑えるケアを重視しましょう。
洗顔で余分な皮脂を取り除いてからしっかり保湿することで、皮脂バランスを整えられます。
【クレンジング/洗顔】
洗浄力が高めの洗顔(固形石鹸、酵素洗顔など)で余分な皮脂を洗い落とす
【化粧水】
さっぱりとしたテクスチャのもので水分を補給する
【乳液/クリーム】
ノンコメドジェニックテスト済み※やオイルフリーの、ニキビができにくいアイテムで保湿する
※すべての方にニキビができないわけではありません。
- ビタミンC誘導体
- エストラジオール誘導体
などの皮脂抑制効果のあるスキンケアを選ぶと、効果の実感力を期待できるでしょう。
また脂性肌でベタつくからと、乳液やクリームを省くのはゼッタイにNG。
肌の内側が乾燥(インナードライ)を起こし、かえって皮脂量が増えかねません。
化粧水や美容液のあとは、かならず乳液やクリームでフタをしてください。
毛穴の黒ずみや開きが気になる場合は、ピーリング剤や洗顔ブラシを併用するのもおすすめです。
混合肌
混合肌の改善には、部位によってスキンケアアイテムを変えるのがベター。
【クレンジング/洗顔】
・クレンジングは部位ごとにテクスチャーや洗浄力を変えるのがベター
→Tゾーン:オイルタイプ、Uゾーン→ミルクタイプなど
・洗顔料は泡立ちの良いものを選び、摩擦に注意してTゾーンを中心に洗う
【化粧水/乳液/クリーム】
・Tゾーンは皮脂を抑える成分配合のものを使う
・Uゾーンは高保湿成分配合の重ためのテクスチャーのものを使う
乾燥肌と脂性肌両方の悩みを抱持つ肌質ゆえに、部分的に乾燥したりベタついたりしてしまいがち。
特にスキンケアアイテムの配合成分を使い分けるのがおすすめです。
脂っぽいTゾーン(おでこ~鼻筋)はビタミンC誘導体など、皮脂を抑える成分がベター。
逆にUゾーン(目元や頬~フェイスライン)は、コラーゲンやセラミドなど高保湿成分配合のものを使ってみてください。
敏感肌
敏感肌の改善には、肌に低刺激なスキンケアアイテムを使うことが重要。
敏感な肌から潤いや皮脂を奪いすぎないことがポイントです。
【クレンジング/洗顔】
低刺激かつ無添加のアイテムでやさしく洗う
【化粧水】
エタノール(アルコール)フリーのシンプルな化粧水で保湿する
【乳液/クリーム】
保湿力に優れたアイテムでしっかりとフタをする
まずスキンケアは、パッチテスト、アレルギーテスト済み※のものを使うのがおすすめ。
※すべての方に皮ふ刺激やアレルギーが起きないというわけではありません。
香料、着色料、パラベン、アルコール、鉱物油が無添加で、刺激の少ないアイテムであることも大切です。
(参考:肌への刺激が強い成分まとめ!肌に悪い化粧品を避けたい人必見)
また敏感肌はストレス、疲れ、食事、睡眠不足などが影響しやすい肌質。
スキンケアだけでなく、生活習慣から改善するのが効果的でしょう。
健康的で美しい肌を保つ方法は、肌質によって人それぞれ。
生まれつきだけでなく、環境や生活習慣によって変化するので、常に肌状態を把握しておきましょう。
その時の肌状態に合わせて基礎化粧品を変えたり、手順のポイントを知っておくのが大切です。
- 乾燥肌
→化粧水でたっぷりと保湿した後、かならずクリームなどでフタをする - 脂性肌
→ニキビができにくいアイテム(オイルフリー・ノンコメドジェニックテスト済みなど)を使う - 混合肌
→Tゾーンから洗顔し、十分に保湿する - 敏感肌
→低刺激アイテム(無添加・アレルギーテスト済みなど)でシンプルなスキンケアをする
スキンケアで水分と油分を整えて、悩みのない健康な肌を手に入れていきましょう。