「ケアしているはずなのに肌がカサカサ」
「ファンデーションがひび割れする…」
乾燥しやすい季節だけでなく、1年中乾燥肌に悩まされている方も少なくないはず。
やみくもに保湿クリームを塗るだけでは、乾燥肌はなかなか改善できません。
そこでこの記事では、乾燥肌の正しいスキンケアの選び方と使い方を詳しく解説。
乾燥肌になるメカニズムや原因まで紹介しているので、しっかりと根本解決を目指しましょう。
Contents
乾燥肌とは?超乾燥肌、かゆみの原因はバリア機能の低下
乾燥肌とは水分、皮脂量が低下して潤いがない肌状態のこと。
肌が白く粉を拭いていたり、つっぱった感じがある方は要注意です。
そもそも肌のうるおいと深く関係しているのが、肌のバリア機能。
本来肌は角層に水分を蓄えることで、外部刺激から肌内部を守っています。
しかし何らかの原因でバリア機能が弱まると、肌表面の水分が蒸発。
紫外線や摩擦といった刺激を直接受けることで、カサつきやかゆみ、ひりつきにつながります。
乾燥を改善するためには、肌のバリア機能を整えることが大切です。
乾燥肌の主な原因はスキンケア不足
乾燥肌になるのは、間違ったスキンケアが原因になっていることがほとんど。
【刺激を与えるスキンケア】
- 洗浄力の強すぎるクレンジングや洗顔料を使う
- 洗顔時に38℃以上のお湯で洗い流す
- シャワーを直接顏に当てたりしている
- 週2回以上毛穴パックやピーリングをしている など
【保湿ケア不足】
- 乳液や保湿クリームを使わず、化粧水のみで済ませる
- 紫外線対策をしていない
- あまり水を飲まない など
上記のようなケアをくり返していると、肌を保湿する皮脂が不足している可能性が高いです。
「薄づきのメイクなのにオイルクレンジングを使う」
「洗顔時にゴシゴシ強くこする」
など、刺激の強すぎるスキンケアは必要以上に皮脂を取り除きかねません。
また、顔のテカリが気になるのに肌にカサつきを感じている場合は、インナードライになっている可能性があります。
「乳液を使わない」「夏以外に日焼け止めを塗らない」といった方は要注意です。
乾燥肌を対策する前に、基本的なスキンケアが正しくできているかを見直してみてください。
生活習慣や体質、加齢によって肌の乾燥を招くこともあります。
スキンケア以外にも肌を乾燥させてしまう原因があります。
- 不規則な生活
→無理なダイエットや暴飲暴食など偏った食生活をしている
→毎日就寝する時間がバラバラ
→心身にストレスが多い など - 加齢
- 元々の体質
美肌をキープするには、スキンケアと合わせてインナーケアの見直しも欠かせません。
【乾燥肌の改善対策】市販スキンケア選びと正しいやり方をチェック
先述のとおり、乾燥肌を改善するには肌のバリア機能を整えるのが欠かせません。
毎日の洗顔や保湿ケア、外出時の紫外線対策を見直して、肌に刺激を与えずうるおすことが大切です。
ここからは、ステップごとにスキンケアの選び方と使い方を解説していきます。
- クレンジング、洗顔…油分を奪いすぎない洗浄成分やテクスチャー
- 保湿…「水分+油分」保湿重視のケア
- 紫外線対策…肌負担を考慮した日焼け止め
洗浄力のやさしいクレンジング、洗顔料が基本
乾燥肌は必要な皮脂まで取ってしまわないよう、クレンジングや洗顔料を使いましょう。
クレンジングのメイクの濃さに合わせてテクスチャーを使い分けることがポイントです。
油脂系オイル | クリーム | ミルク |
普通~しっかりメイク | 普通メイク | ナチュラルメイク |
人の皮脂と類似のオイルのため、洗浄力が強くても乾燥しにくい | 適度な洗浄力があり、保湿感を残す | 肌負担は低いが洗浄力が優しすぎるため、対応できるメイクが少ない |
ウォータープルーフ効果のある落ちにくいコスメは、油分の多い油脂系オイルやクリームタイプを使いましょう。
オリーブ果実油、アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル)、シア油、馬油などの天然由来の油脂がおすすめです。
ミネラルコスメなどを使用したナチュラルメイクであれば、比較的洗浄力のやさしいミルクタイプがいいでしょう。
クレンジング後は、洗浄力のやさしい洗顔料を使うのがカギ。
- アミノ酸系洗浄成分
→「~グルタミン酸Na」「~タウリンK」と表記されているもの - 両性界面活性剤
→「~ベタイン」「~アンホ」と表記されているもの
肌がピリピリしやすい方は、「エタノールやメントール配合を避ける」「ベビーソープを使う」など工夫してみてください。
乾燥肌の正しいクレンジング、洗顔方法
乾燥肌改善には、クレンジング、洗顔時にこすらないことが大切です。
【クレンジング】
- ポイントメイクを落とす
- 乾いた手にクレンジングを適量だす
- 顔全体に優しくのばす
- 手の平でゆっくり円を描くようになじませる(1分)
- ぬるま湯ですすぐ(35℃)
【洗顔】
- 洗顔料をよく泡立てる
→レモン1個分 - 泡を転がすように洗う
→鼻、あご→Tゾーン→ほほ - ある程度泡を落としてすすぐ(35℃)
- やさしく水気を拭き取る
落ちにくいマスカラやアイライン、リップは専用のポイントメイクリムーバーで落としてからにしましょう。
メイクとのなじみをよくするために、クレンジングは乾いた手で伸ばすのがベターです。
頬やおでこの広い部分は手のひら全体で、ゆっくり円を描くようにしましょう。
目元や小鼻は指の腹を使ってやさしく手を動かしてください。
クレンジングの量は基本的に商品に記載されている量を守ってください。
記載がない場合はオイル、ミルクは500円玉、クリームは10円玉程度を目安にするといいでしょう。
肌がこすれる感じやつっかっかるようであれば、クレンジング料を足してもOKです。
洗顔料は空気を含ませるようにすると、泡がこんもり泡立ちます。
肌に触れないように泡の弾力で顔を洗ってください。
水分を拭き取るときは肌ざわりのいいタオルやティッテュを軽く押し当てて、水気を吸い込ませます。
少し湿り気が残っている方が、次のスキンケアが入りやすいです。
化粧水、乳液、クリームは保湿重視でケアする
洗顔後は、高保湿成分配合のスキンケアでいち早く保湿しましょう。
化粧水 | 水分補給 |
|
美容液 | 目的に合わせた集中ケア | |
乳液 | 水分、栄養分をフタ | |
クリーム | 皮脂膜の代わり |
(参考:保湿成分を類別に解説!本当に効果のあるおすすめ成分を肌質別にチェック)
保湿成分は、肌のバリア機能をサポートするセラミドがおすすめ。
効果の実感力にこだわりたい方は、人の肌になじみやすいヒト型セラミドをチェックしてみてください。
オリーブ葉エキス、リンゴ幹細胞などの植物エキスやグリセリンも高い保湿力を期待できます。
また、ピリピリと肌が刺激を感じる場合は、乳液やクリームの代わりにワセリンを使うのもアリ。
ワセリン自体には美容効果はありませんが、油分が肌の水分蒸発を抑えてくれます。
(関連:ワセリンの効果や種類とは?顔には使える?ヴァセリンとの違いやおすすめ使用方法を紹介)
肌の状態に合わせて、保湿アイテムを使い分けてみてください。
乾燥肌の正しい保湿ケアのやり方、順番
基本的に、保湿ケアをするときは化粧水→美容液→乳液→クリームの順です。
【化粧水】
- 適量(500円玉程度)を手に取る
- 手をすり合わせて肌程度に温める
- 顔全体を覆うように全体につける
→顔の中心から外側
→こすらずに押し当てハンドプレス - 目元、口元など細かい部分を指の腹でプレス
- フェイスラインを軽く押さえる
- 余った化粧水を首、デコルテにつける
【美容液】
- 適量を2~3回(10円玉程度)に分けてだす
- 手で温め部分的において塗る
→おでこ、小鼻、両頬、顎 - ハンドプレス
【乳液】
- 適量(10円玉程度)を取り、温める
- 顔の中心から外側に向かって円を大きくかいてのばす
→ほほ→おでこ→あご→目元・口元→鼻 - ハンドプレス
【クリーム】
- 適量(パール大3)をとり、手のひらを合わせて温める
- おでこ、小鼻、両頬、あごの5点に置く
→乾燥しやすいほほ、目元、口元は多め
→Tゾーンは少な目に調整 - ハンドプレスでつける
→10秒以上顔に手を密着させる
美容液は適量(10円玉程度)を2~3回小分けにだすと、塗りムラをおさえられます。
おでこ、小鼻、両頬、あご、部分的において伸ばしましょう。
クリームはおでこ、小鼻、両頬、あごの5点に置きます。
乳液よりテクスチャーが硬めなので、押し伸ばすようにハンドプレスでつけるのがおすすめ。
さらにキメに沿って横方向に塗布するのがコツです。
特に乾燥しやすい目元や口元、頬は重ねづけすると効果的でしょう。
紫外線対策を強化して乾燥ダメージから肌を守る
刺激を受けやすい乾燥肌は、肌の負担を考慮した日焼け止めクリームを選ぶことが大事です。
SPFやPAは高くなるほど紫外線予防効果が高いものの、肌への刺激が強くなります。
シーンに合わせて強さを使い分けるようにしてください。
- 普段づかい(散歩や軽い買い物)
→SPF15~20 、PA++程度 - 炎天下での活動(海や山でのレジャー、スポーツなど)
→SPF30~50、PA++++程度
また乾燥肌の方は、紫外線吸収剤不使用、敏感肌用の記載に注目して選びましょう。
ちなみに塗るときに良く伸びるもの、石けんで落ちるものを選ぶと肌への摩擦負担を減らせます。
日焼け止めを塗るとカサつきを感じる場合は、ヒアルロン酸などの保湿成分が配合のものがおすすめです。
季節問わず外出の際は日焼け止めを塗って、肌の乾燥を予防しましょう。
乾燥肌の正しい日焼け止めの塗り方
日焼け止めクリームの効果を引き出すには、塗る前にしっかり保湿ケアをするのがポイント。
- 洗顔後、化粧水・美容液・乳液の順番で肌を保湿する
- 日焼け止めを左右の頬、額、鼻、顎にポイント置きする
- 中央から外側へ伸ばし、もう1度重ねづけする
- 顔全体をハンドプレスしてなじませる
日焼け止めクリームは指全体を使って、中心から外側へ伸ばしていきましょう。
左右の頬、額、鼻、あごの5ヵ所に1円玉程度の量を置くとバランスよく伸ばせます。
一気に塗るとムラができるので、1度全体に塗ったら同じ量を重ねづけしていきましょう。
特に凹凸部分は日焼け止めが落ちやすいので注意。
フェイスライン・まぶた・唇・小鼻もしっかり塗っていきましょう。
伸ばした後は強くこすらず、やさしく顔全体を手でプレスしてください。
時間がたつとひび割れしやすい乾燥肌は、保湿力が高いコスメがおすすめです。
- テスクチャ―の柔らかい下地
→リキッド、クリームタイプ - しっとり感がある
→アミノ酸、スクワラン、ヒアルロン酸 - 時間がたってもパリパリ、ひび割れしない
乾燥肌はサラサラしたタイプより、ややとろみのあるタイプを使うとカサつきにくくなるでしょう。
【乾燥肌の予防方法】食事と食べ方テクでインナーケアも大切
乾燥肌を予防するには、バランスの良い食事を心がけることも大切です。
たんぱく質 | 肉、魚、卵、大豆(大豆製品) |
ビタミンA (β-カロテン) | レバー、うなぎ、ニンジン、小松菜、ほうれん草、モロヘイヤ |
ビタミンB2 | 豚レバー、納豆、モロヘイヤ、牛乳、アーモンド、海苔 |
ビタミンC | 柑橘類、イチゴ、キウイ、ブロッコリー、小松菜、ゴーヤ |
ビタミンE | 豆乳、アボカド、イワシ、たらこ、いくら、アーモンド、ヒマワリ油 |
亜鉛 | 牡蠣、牛肉、卵黄、チーズ、ココア |
必須脂肪酸 | サバ、イワシ、さんま、エゴマ油、亜麻仁油 |
肉や魚、野菜類のバランスに注目して食事を選んでみてください。
生野菜は両手1杯、ゆで野菜は片手1杯が1食分の目安です。
また必須脂肪酸は皮脂を作り出すもととなります。
皮脂が不足すると内部の水分も失われやすくなるので、意識的にとるといいでしょう。
肌の乾燥はケアで改善できます。
肌負担がかからないこと、高保湿のスキンケアに注目して選ぶようにしましょう。
- クレンジング:メイクの濃さによってテクスチャーを変える
→油脂系オイル…しっかりメイク
→クリーム…普通メイク
→ミルク…ナチュラルメイク - 洗顔料:マイルドな洗浄成分を選ぶ
→アミノ酸系洗浄成分(~グルタミン酸Na、~タウリンK)
→良性界面活性剤(~ベタイン、~アンホ) - 保湿ケア:高保湿成分のものを選ぶ
→ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン
→化粧水、美容液、乳液、クリームを重ねて水分を逃がさない - 紫外線対策;シーンや肌状態によって日焼け止めクリームを使い分ける
→普段づかいはSPF15~20PA++、レジャーやスポーツはSPF30~50PA++++
→紫外線吸収剤不使用、敏感肌用
→伸びがいい、石けんで落ちる
コスメはとろみのあるタイプを選ぶと、みずみずしく自然なツヤがでます。
しっかり保湿したうえでメイクをすれば、乾燥によるひび割れがしにくいです。
さらにインナーからのケアを強化して、よりうるおいを実感できる肌を目指しましょう。