人間の肌は「ターンオーバー」によって、一定の周期で生まれ変わっているのをご存知ですか?
聞いたことはあるけれど、仕組みはイマイチわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ターンオーバーの乱れは、肌荒れやニキビなど肌トラブルを引き起こす原因です。
この記事では、ターンオーバーの仕組みや周期を整えるおすすめケアを紹介します。
肌のカサつきやニキビがなかなか改善しないなど、肌トラブルでお悩みの方は参考にしてください。
Contents
肌のターンオーバーとは「皮ふが生まれ変わるサイクル」のこと
ターンオーバーとは、一定の周期で新しい肌に生まれ変わる機能のことです。
私たちの肌は、上から表皮(ひょうひ)、真皮(しんぴ)、皮下組織の3層構造。
ターンオーバーは、1番上の「表皮」の中で起こっています。
一定の周期で繰り返されることで、キメの整ったうるおいのある肌を作り出す仕組みです。
- 「基底層」で新しい細胞が生まれる
- 生まれた細胞が、日々新しく生まれる細胞に押し上げられて「角質層」に到着
- 肌の表面まで押し上げられ、垢(あか)となり剥がれ落ちる
古い角質が垢として排出されることによって、ニキビ跡やシミの元であるメラニンも一緒に押し出されます。
つまり美肌を保つためには「ターンオーバー周期」を整えることが重要というわけです。
早い?遅い?何日?年齢別ターンオーバー周期の見分け方
理想的なターンオーバー周期は、平均28日程度。
ただ28日といわれるのは20代で、年齢により周期が変わります。
一般的に20代を過ぎると、細胞を作り出す働き自体が低下し、周期が遅くなるためです。
年齢 | 平均周期 |
20代 | 約28日 |
30代 | 約40日 |
40代 | 約55日 |
50代 | 約78日 |
60代 | 約90日 |
ターンオーバーの周期=年齢×1.5~2がだいたいの目安と覚えておくといいでしょう。
また、年齢にかかわらずターンオーバー周期が早まったり、遅くなったりすることがあります。
肌細胞が未熟なままだったり、古い角質が残り続けたりすることで、様々な肌トラブルを招きかねません。
周期が早い人 | 周期が遅い人 |
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早すぎるターンオーバーは、乾燥して刺激を感じたり、シワが気になったりする一因。
逆に遅い場合は、肌表面のごわつきやくすみ、毛穴詰まりなどが目立つようになります。
「ターンオーバーを速めればいい」というわけではなく、適切な周期をキープすることが美肌づくりには欠かせません。
ターンオーバーが早すぎる/遅すぎる原因は「間違ったスキンケアや生活習慣」
ターンオーバー周期が乱れる原因は、おもに間違ったスキンケアや不規則な生活習慣です。
- 肌を乾燥させるケアをしている
→クレンジング、洗顔のやりすぎ(1日3回以上)
→ピーリングのやりすぎ(週3回以上)
→UVケア不足(日焼け止めを使用していない) など - 肌に汚れがたまっている
→メイクを落とさずに寝る
→肌質に合わない洗顔料を使用している など - 自律神経の乱れや血行不良を起こしている
→睡眠が足りていない(1日4時間以下、昼夜が逆転しているなど)
→心身のストレスを抱えている
→毎日大量の飲酒や喫煙をしている など - 肌の栄養不足を起こしている
→極端なダイエット、偏食、暴飲暴食 など
まず間違ったスキンケアをしていると、肌に大きな負担がかかりターンオーバー周期に大きく影響します。
洗顔や角質ケアのやりすぎや紫外線対策不足は、肌の乾燥を招きかねません。
ターンオーバー周期が早まり、肌細胞が未熟なまま剥がれ落ちてしまうので、刺激や肌荒れを感じやすくなります。
逆にスキンケアが不十分だと肌に汚れがたまり、ターンオーバー周期が遅くなる一因。
くすみやシミ、ニキビ跡が改善されにくい状態になりかねません。
また、生活習慣が不規則だと、ターンオーバー周期を整える機能に影響を及ぼす可能性があります。
たとえば極端な食事制限は、ターンオーバーに必要な栄養素が不足し、周期が遅くなる原因の1つです。
「スキンケアを変えても肌トラブルが改善しない」という方は、ライフスタイルを見直してみましょう。
ニキビや毛穴の悩みとサヨナラ!ターンオーバーを整えるスキンケア
ターンオーバーを整えるには、毎日のスキンケアを見直すのが手っ取り早いでしょう。
ここからはクレンジング、洗顔~外出前までの一連のケアのやり方を解説します。
アイテムのおすすめの選び方まで紹介しているので、チェックしてみてください。
- クレンジング、洗顔:正しい回数と方法を身につける
- 保湿ケア:保湿力の高い成分を選ぶ
- 紫外線対策:日焼け止めをこまめに塗る
【クレンジング、洗顔】朝晩2回まで、泡で優しく洗い上げる
クレンジングや洗顔は、低刺激でソフトなテクスチャーを選ぶのがおすすめです。
クレンジングの選び方
- ミルクタイプ
- クリームタイプ
(関連:いまさら聞けないクレンジングの種類と選び方!肌質や悩みに合わせるのがおすすめ)
洗顔料の選び方
- アミノ酸系洗浄成分
⇒ココイル〇〇、ラウロイル〇〇と表記されているもの - 両性界面活性剤
⇒ココアンホ酢酸Na、コカミドプロピルベタインといった表記のもの
クレンジングはメイクの濃さに合わせてタイプを使い分けるとベター。
ナチュラルメイクであればミルククレンジング、通常のメイクであればクリームがいいでしょう。
ちなみに、よく使われるオイルクレンジングは洗浄力が強いため、毎日使うと肌が乾燥しかねません。
「ティントリップなど濃いメイクを使った日だけに使う」など、限定的に使うといいでしょう。
洗顔料は、アミノ酸系洗浄成分や両面活性剤が使われているものがおすすめ。
しっとりした洗いあがりで、肌への負担を減らせます。
次に、正しい洗顔方法もチェックしておきましょう。
クレンジングも洗顔も、摩擦しないように優しく洗い上げるのもポイントです。
クレンジング方法
- 手に適量(500円玉くらい)のクレンジング剤を出す
- 両ほほにクレンジング剤をつけ、指の腹で円を描くようになじませる
- おでこの中心から外に向かって円を描くようになじませる
- 鼻のうえを上下させながらなじませる
- 唇の上は指を左右に滑らせながらなじませる
- あごの上で円を描くようになじませる
- 32度ほどのぬるま湯で洗い流す
洗顔方法
- 手に洗顔料を適量とり、少しずつぬるま湯を加えながら泡立てる
→レモン1個分、ひっくり返しても落ちないくらいモコモコな泡にする - Tゾーンを中心に泡を乗せ、残った泡を頬や口周りに乗せる
- 泡を転がすように優しく洗っていく
- 32度ほどのぬるま湯で洗い流す
- タオルでポンポンと軽く押さえるようにして水気をとる
クレンジングは、「帰宅後早めに落とす」のがポイント。
メイクは時間が経つと空気中の汚れや皮脂と混ざって酸化し、黒ずみの原因になります。
手洗いうがいのタイミングでクレンジングを同時にするのがおすすめです。
洗顔をするときは、しっかり泡立てて手のひらと肌が直接触れないようにしてください。
泡を手のひらで作るのが苦手な方は、洗顔ネットなどを使うのもおすすめです。
また、洗顔は朝晩の2回までにとどめるようにしましょう。
すすぎは、30回程度を目安に手のひらに水をためて洗い流すようにしてください。
入浴中に洗顔する場合は、シャワーを直接顔にあてるのはNG。
必ず手で水をすくってすすぐようにしましょう。
タオルで拭うときは、ゴシゴシとこすらないように注意してください。
ピーリングで週1回のスペシャルケア
特に肌がごわつき、ざらつきが気になる方は、ピーリングでスペシャルケアをするのがおすすめ。
ただし、刺激の強いピーリングは逆に肌ダメージを引き起こすこともあります。
グリコール酸やクエン酸などの比較的低刺激なものを選ぶのがベターでしょう。
- クレンジングと洗顔を済ます
- 手のひらに適量を出し、肌全体に円を描くように転がす
- 落ちてきた古い角質をぬるま湯で洗い流す
ピーリングの頻度は週1回程度がおすすめ。
やりすぎは角質を落としすぎたり、肌に赤みが出たりする原因になります。
商品ごとの使用頻度やタイミングを守って使うようにしてください。
【保湿ケア】保湿力に注目して化粧水、乳液を選ぶ
ターンオーバーを整えるには、高保湿成分が配合された化粧水や乳液を選ぶのがおすすめです。
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- プラセンタ
また、クレンジングや洗顔後の肌は、汚れだけでなく油分も取り除かれて無防備な状態。
できるだけ早く保湿してあげることが大切です。
【保湿ケア方法】
化粧水の塗り方
- 適量(500円玉くらい)を取り、手で温める
- 顔全体にハンドプレスしながらつける
- 目元、口元などの細かい部分を指の腹でプレス
- フェイスラインをなぞるようにつける
- 余った化粧水を首、デコルテにつける
乳液の塗り方
- 適量(10円玉くらい)を取り、手で温める
- 5箇所(頬、おでこ、顎、目元・口元、鼻)につける
- 円を描くようにくるくるのばす
- 全体になじませてハンドプレス
化粧水は頬など乾燥が気になるところに2度塗りしてもOKです。
コットンを使用するときは、こすりすぎないように優しく塗ることを意識しましょう。
ブースター化粧品や美容液でサポートするのもおすすめ
肌の乾燥を感じる方は、化粧水の前にブースター化粧品を使用するのもおすすめです。
ブースター化粧品の効果は肌の表面をやわらかくしてくれること。
やわらかくなった肌に化粧水をつけることで、浸透力※がグンと上がります。
※角層まで。
ブースター化粧品を選ぶときは、高い保湿力を期待できるオイルタイプやミルクタイプがおすすめ。
セラミドやヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸などの保湿成分が配合されているかもチェックしてみてください。
【紫外線対策】夏場以外でもUVケアを徹底する
外出時は肌を刺激から守るために、年間を通して日焼け止めクリームを塗るのを心がけましょう。
肌に負担をかけないために、SPFやPAをシーンによって使い分けるのがおすすめです。
長時間の炎天下のレジャー マリンスポーツ | SPF50+ PA++++ |
屋外での短時間のスポーツ | SPF30 PA+++ |
通勤・通学 | SPF値17~30 PA値++ |
効果的に日焼け止めクリームを使うためにも、外出の30分前までに塗るようにしましょう。
日焼け止めの塗り方
- 適量を両頬、額、鼻、あごに置く
- 両頬:指で円を描くようになじませる
- 額:指で中心→外側に向かってなじませる
- 鼻:指で上下になじませる
- あご:中心からフェイスラインに向かってなじませる
- 指の残りで目頭→目尻に向かってなじませる
- 再度適量を取り、全体になじませる
外出後は、2~3時間に1回のペースで塗り直すのを心がけください。
夏場や長時間外にいる日には日傘や帽子を併用するとベターです。
食事や睡眠など生活習慣の見直しも大切
ターンオーバーを整えるためには、規則正しい生活習慣を送ることも欠かせません。
食生活と睡眠を見直したり、ストレスをためない工夫をしたりして、体の中から美肌をキープしましょう。
ダイエット中や偏食気味の方は特に栄養が偏りやすいので、食事から見直してみてください。
睡眠不足の方は睡眠の質から、イライラしやすい、落ち込むことがあった方はストレス発散法から取り組んでみましょう。
ターンオーバーは、肌が一定の周期で生まれ変わる機能のこと。
周期が乱れることでニキビ跡やシワ、肌荒れの原因になります。
肌トラブルがなかなか改善しない…という方は、まずはスキンケアの見直しからはじめてみましょう。
スキンケア
- クレンジングや洗顔:1日朝晩2回まで、肌に優しい成分(テクスチャー)のものを使う
→クレンジングはミルクかクリームタイプ
→洗顔はアミノ酸系か両性界面活性剤のものがおすすめ - 保湿効果の高い化粧水、乳液を選ぶ
→セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなど - 日焼け止めは1年中塗ってUVケアをする
→外に出る時間と場所に応じて日焼け止めを変える
また、正しい生活習慣を身につけるのも、ターンオーバーの正常化には欠かせません。
バランスのとれた食事や良質な睡眠を取り、ストレスとの向き合い方を見直してみましょう。
ターンオーバーを整えて、トラブルを起こしにくい美肌を手に入れてください。