「季節問わず、保湿しても顔がテカテカする…」
元々オイリー肌でないのに顔が脂っぽいなら、毎日のスキンケアや生活習慣が関係している可能性大です。
そこで今回は、顔のテカリの原因とスキンケア方法を詳しく解説。
さらにナチュラルにテカリを隠すメイクのコツも紹介しています。
しっかり原因にアプローチする正しいケア方法を実践して、スベスベ肌を取り戻していきましょう。
【この記事の監修者】
Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院長
中島 由美 先生
2002年 金沢医科大学医学部 卒業、金沢医科大学病院 小児科、内科勤務
2004年~2018年 大阪、神戸、東京、福岡の病院、クリニックで内科、皮膚科勤務
2018年 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル内に医科開設
体の内側と外側をトータルで考えた、健康的な美しさを引きだすエキスパート。
ちょっとした身体の不調から、内科、美容、アンチエイジング、ダイエットにいたるまで様々な分野に精通。
一人ひとりのパーソナリティやライフスタイルに寄り添った丁寧な診療が、幅広く厚い支持を集めている。
Contents
体質や遺伝だけじゃない!ひどい顔のテカリの原因3つ
そもそも顔がテカる原因は、皮脂の過剰分泌。
本来皮脂は皮ふ表面に膜を作り、水分蒸発や外部刺激から肌を守っています。
しかし何らかの理由で皮脂バランスが崩れると、テカリや化粧崩れにつながるのがネックです。
ちなみにテカリとツヤとの違いは、ツヤが出る位置が関係。
おでこ、小鼻、鼻と口の間に皮脂が多くなると、テカリに見えるそうです。
脂性肌の方がテカリやすいのはたしかですが、必ずしも肌質で皮脂量が決められているわけではありません。
ほとんどの場合は、毎日のスキンケアや生活習慣が皮脂の過剰分泌を招いている可能性が高いです。
- 「肌質に合わない洗顔料を使う」「ゴシゴシこする」など間違ったスキンケアをしている
- 「紫外線対策をしていない」など外部刺激を受けやすい環境にいる
- 「睡眠時間がバラバラ」「偏食をする」など生活習慣が乱れている
①間違ったスキンケアや過剰な洗顔
間違ったスキンケアをしていると、顔のテカリが悪化する可能性が高いです。
毎日清潔に保っているつもりでも、肌に刺激の強いケアはかえって悪影響になりかねません。
- 洗浄力の強い洗顔料を使っている
- テカリ解消のために洗顔時にゴシゴシこすったり、1日に何度も洗顔したりする
- あぶらとりシートで何度も皮脂を拭き取っている
- 洗顔やクレンジングシートを使うときに皮ふをこすっている
- 毎日毛穴パックをしている など
クレンジングや洗顔料の洗浄成分が強すぎるのは、よくある原因です。
リキッドタイプのクレンジング剤や、「オイリー肌用」と記載された洗顔料を毎日使っている方は要注意。
さらに、テカリを落とそうと洗顔時に強くこすったり、洗いすぎたりするのもNGです。
先述のとおり、皮脂は皮ふのうるおいを保つのに必要不可欠。
ただ皮脂を洗いすぎたり、摩擦ダメージが加わったりすると、乾燥や外部刺激から肌を守ろうとして皮脂の分泌量が増えてしまいます。
また、毎日高頻度で毛穴パックを繰り返し使うのもおすすめできません。
毛穴を傷つけて開きやすくなることで、皮脂の分泌バランスが乱れる恐れがあります。
「洗顔をしたのにテカる」という方は、まずは間違ったスキンケアをしていないか見直してみましょう。
顔がテカるからといって乳液や保湿クリームをつけないのは本末転倒。
肌が乾燥すると、皮ふのうるおいをキープするために皮脂の分泌量が増えてしまいます。
顔のテカリを改善したい方こそ、化粧水のあとは乳液やクリームでしっかりと保湿することが欠かせません。
詳しくは後述していますが、高保湿成分が配合されたアイテムでケアを続けるのが大切です。
②外部ダメージや空気の乾燥
空気の乾燥や紫外線ダメージによる肌の乾燥は、顔がテカリやすくなる一因です。
- 紫外線対策をしていない
- エアコンの効いた室内に長時間いる など
紫外線を浴びすぎると肌のバリア機能が低下。
乾燥しやすい肌環境になり、乾燥をカバーするために皮脂が増えてしまいます。
冬は夏よりも紫外線量は少ないですが油断は禁物です。
冬は太陽の位置が低くなるため、夏よりも顔全体に紫外線を浴びやすくなるといわれています。
また、エアコンの効いた屋内に長時間いることが多い場合も要注意。
冷房や暖房で空気の湿度が50%以下になると、肌から水分を奪って乾燥状態を招きかねません。
(※参考:松田知子 皮膚科医院)
肌のカサつきやごわつきを感じる方は、乾燥によるテカリを疑ってみるべきでしょう。
③生活習慣の乱れ
不規則な生活習慣は、皮脂のバランスを崩す原因です。
- 入眠する時間が毎日バラバラだったり、朝方に寝ていたりする
- デスクワーク中心で運動習慣がない
- 仕事や人間関係でストレスを抱えている
- 暴飲暴食や偏食、極端なダイエットしている など
睡眠不足や運動不足、ストレスの蓄積によって、ホルモンバランスが崩れやすくなります。
ホルモンバンスが崩れて皮脂の分泌を促す男性ホルモンが増えると、オイリー肌のようにテカってしまうというわけです。
睡眠不足、不規則な食生活、ストレスに十分気をつけてください。
ストレスによって副腎から男性ホルモンが分泌されます。男性ホルモンが活発になると皮脂が出やすくなり、オイリー肌やニキビ肌の原因となります。(出典:大城皮フ科クリニック)
コンビニ弁当やインスタント食品をメインとする食生活は、ホルモンバランスだけでなく栄養不足もテカリに影響。
偏った食生活で皮脂分泌を抑えるビタミンB群が不足すると、肌代謝が低下して皮脂の過剰分泌を招きます。
正しくスキンケアしているのに顔がテカるなら、生活習慣の乱れを疑ってみてください。
(参考:明日からできる!ホルモンバランスを整える9つの方法まとめ)
顔のテカリを予防対策するスキンケアの選び方・手順
顔のテカリを改善するには、スキンケアを見直すのが重要。
ここからは、テカリ対策におすすめのテクスチャーや成分や正しい手順について解説していきます。
- クレンジング・洗顔料:低刺激の洗浄成分やテクスチャーを選ぶ
- 化粧水・乳液:皮脂バランスを整える成分や保湿成分を選ぶ
【クレンジング・洗顔料】やさしく洗い上げるものがおすすめ
顔がテカりやすい方は、低刺激でやわらかいテクスチャーのクレンジング剤や洗顔料を選ぶのが改善のカギ。
クレンジング
- ミルクタイプ
- クリームタイプ
- 手に適量のクレンジング剤を出す
- 両ほほにクレンジング剤をつけ、指の腹で円を描くように馴染ませる
- おでこの中心から外に向かって円を描くように馴染ませる
- 鼻のうえを上下させながら馴染ませる
- 唇の上は指を左右に滑らせながら馴染ませる
- あごの上で円を描くように馴染ませる
- 32度ほどのぬるま湯で洗い流す
洗顔
【選び方】
- アミノ酸系
⇒ココイル〇〇、ラウロイル〇〇と表記されているもの - 両性界面活性剤
⇒ココアンホ酢酸Na、コカミドプロピルベタインといった表記のもの
【洗い方】
- 手に洗顔料を適量とり、少しずつぬるま湯を加えながら泡立てる
- Tゾーンを中心に泡を乗せ、残った泡を頬や口周りに乗せる
- 泡を転がすように優しく洗っていく
- 32度ほどのぬるま湯で洗い流す
- タオルでポンポンと軽く押さえるようにして水気をとる
まずクレンジングは、クリームタイプやミルクタイプのやわらかいテクスチャーがおすすめ。
マイルドな洗浄力でメイク汚れを洗い落とし、しっとり洗い上げてくれます。
テカリが気になると入念にクレンジングしがちですが、「テクスチャーが変わった時」に洗い流すのがポイント。
ミルクタイプやクリームタイプであれば、テクスチャーが軽くなった時に切り上げてみましょう。
乳化状態とも呼ばれ、メイクとクレンジング剤がしっかり混ざってしっかり洗い流せる合図です。
次に洗顔料は、アミノ酸系や両性界面活性剤を選んでみてください。
いずれも肌のうるおいに必要な皮脂を洗いすぎない洗浄成分です。
洗うときはしっかり泡立てて、泡を転がすように肌に塗り拡げていきます。
洗顔料が泡立ちにくい場合は、泡立てネットを使うのがおすすめです。
最後にぬるま湯でしっかり洗い流して、鏡を見ながらメイクや泡が残っていないか必ず確認してください。
【化粧水・乳液】皮脂抑制成分や高保湿成分がポイント
毎日のスキンケアに使っている化粧水や乳液も見直してみましょう。
洗顔後は肌が乾燥しやすいデリケートな状態。
しっかり保湿しながら皮脂バランスを整える保湿アイテムを選ぶのが重要です。
化粧水 | 乳液 | |
---|---|---|
選び方 | ※以下の成分が配合されているものがおすすめ
| ※以下の成分が配合されているものがおすすめ
|
スキンケア方法 |
|
(参考:保湿成分を類別に解説!本当に効果のあるおすすめ成分を肌質別にチェック)
化粧水は保湿成分に加えて、ビタミンCやビタミンBといった皮脂の過剰分泌を抑えてくれる成分をチェック。
ベタベタするテキスチャーが苦手なら、さっぱりタイプの化粧水をたっぷり塗布してみてください。
乳液は、高保湿成分が成分表のはじめに記載されているかをチェック。
成分表は含有量の多い順番に記載されているので、保湿成分が先頭にあるほど潤い補給に効果的です。
また保湿ケアをするときは、摩擦や刺激に注意。
コットン、手のどちらでもOKですが、強くパッティングしたり、ゴシゴシ塗り込むのは避けてください。
化粧水や乳液を塗る時は、肌に馴染ませるようにゆっくりプレスするのがポイントです。
肌の状態に合わせて化粧水の種類もひと工夫
化粧水は、肌の状態に合わせて種類を工夫するのがベター。
- 収れん化粧水:皮ふを引き締めて皮脂の分泌を抑える
- 柔軟化粧水:皮ふをやわらかくして保湿成分を浸透しやすくする
- 拭き取り化粧水:古い角質を落としターンオーバーを整える
顔のテカリ対策でベーシックなのが収れん化粧水。
肌を引き締める効果が期待できるので、皮脂の分泌抑制に役立ちます。
乾燥で肌がつっぱる方は、柔軟化粧水で肌をやわらかくしてみましょう。
肌がやわらかくなることで、保湿成分が浸透しやすくなります。
角質が溜まって肌の調子が悪い方は、拭き取り化粧水でケア。
古い角質を取り除くことでターンオーバーが整い、保湿ケアがしやすくなるでしょう。
(参考:肌荒れの原因は「ターンオーバーの乱れ」かも!意味や周期、肌を整えるおすすめケアを解説)
テカリ肌を防止するメイクのコツ
顔のテカリを目立たせないためには、ベースメイクを工夫するのが欠かせません。
化粧品は油分が多いので、皮脂が多いと混ざりやすく化粧ヨレしやすいのがネック。
化粧下地やファンデーションは、皮脂に強いテクスチャーや成分を選びましょう。
化粧下地 | ファンデーション | |
---|---|---|
選び方 | ※以下の成分が配合されているものがおすすめ
|
|
メイクのポイント |
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化粧下地は、テカリを抑えてくれる成分や皮脂を吸着する成分が入っているものを選びましょう。
ジメチコンなどは皮脂を弾いてテカリを防ぎ、シリカには不要な皮脂を吸着する性質があります。
ファンデーションは油分の少ないパウダータイプやリキッドタイプがおすすめ。
リキッドタイプは、ベースメイク後に少し濡れたコットンでたたき込むことで崩れにくくなるといわれています。
ウォータープルーフタイプも、皮脂が増えても崩れにくいです。
皮脂が多い部分にはフェイスパウダーの代わりに、ベビーパウダーを使うのもあり。
濃くするのではなく、崩れやすい部分はパウダーでふんわり仕上げるのがポイントです。
皮脂を抑える生活習慣も重要
はじめにお伝えしたようにテカリを引き起こす皮脂の過剰分泌は、生活習慣も大きく関係しています。
スキンケアやメイクだけでなく、皮脂を抑える生活習慣も心がけましょう。
- 毎晩、同じ時間に眠る
- ビタミンB2やビタミンB6が豊富な食品を摂る
⇒肉類、魚類、納豆、緑黄色野菜、バナナ、玄米など - ウォーキングなど適度に運動する
- 趣味などでストレスを発散させる
ホルモンバランスを整えるなら、毎晩同じ時間に眠るのがカギです。
ちなみに、睡眠時間は7時間以上とるのが理想的※。
(※参考:KOSE)
とはいえ睡眠時間の長さを確保するよりは、「夜間にしっかり眠る」のを心がけましょう。
食生活が乱れている方は、皮脂の過剰分泌を抑えるビタミンB群が食品を積極的に摂ってください。
納豆やバナナといった、身近な食品にも豊富に含まれています。
ストレス発散や運動不足も、少しずつ対策していきましょう。
一駅分歩いて帰ったり、趣味に熱中する時間を確保したりするのがおすすめです。
いずれも継続することが大切なので、無理せずできることから生活習慣を見直してみてください。
なかなか顔のテカリが治らなければ皮ふ科治療もアリ
顔のテカリだけでなく、ニキビや黒ずみなど肌トラブルを伴うならクリニックで治療を受けるも1つの手段。
自己流ケアで過度なスキンケアをやりすぎると、かえって悪化する恐れもあります。
慢性的に皮脂が過剰分泌するなら、皮膚科で診てもらう方が改善しやすいです。
皮膚科では次のような施術で毛穴開きによる皮脂分泌を治療できます。
- 角栓除去:治療薬で角栓を取り除き毛穴を引き締める
- ピーリング治療:古い角質を除去してハリや弾力を戻す
- レーザー治療:レーザーを照射して毛穴を引き締める
- ダーマペン:肌に微細な穴を開けてコラーゲン生成を促す
- ビタミンC点滴:ビタミンCを補給して肌のハリを取り戻す
- イオン導入:ビタミンなどの美容成分を肌の奥まで浸透させる
治療費は、1回4,000円~6万円と施術によって様々です。
どんな治療が適切なのか判断してもらうためにも、まずは医師に相談してみてください。
肌質だけでなく、間違ったスキンケア方法や生活習慣の乱れも顔のテカリを引き起こす原因になります。
毎日スキンケアをしているのに顔がテカる方は、スキンケアアイテムやケアのやり方、生活習慣を見直してみてください。
✔︎テカリを引き起こす皮脂分泌の原因
- 間違ったスキンケアや過剰な洗顔
→洗浄力の強すぎるアイテムや乱暴なケア - 外部ダメージや空気の乾燥
→紫外線対策の不足や冷暖房による湿度不足 - 生活習慣の乱れ
→不規則な睡眠時間や運動不足、栄養不足、運動不足
✔︎顔のテカリを予防するスキンケアのポイント
- 【クレンジング、洗顔料】マイルドな洗浄力のアイテムを選ぶ
→ミルクタイプやクリームタイプなどやわらかいテクスチャー
→アミノ酸系、両性界面活性剤など洗いすぎない洗浄成分 - 【化粧水、乳液】皮脂を抑える成分や保湿成分で選ぶ
→ビタミンC、植物エキスなど皮脂を抑える成分
→セラミド、ヒアルロン酸など肌にうるおいを与えて補う成分
また顔のテカリを目立たせないためには、メイクや生活習慣を工夫するのも欠かせません。
「これは出来ていなかった!」という部分は1つずつ改善して、テカリを気にしない素肌を目指しましょう。