なかなか消えない「目の下のクマ」ができると憂鬱になるもの。
「寝不足や疲れのせい」とよくいわれますが、睡眠をしっかりとっても消えないクマもあります。
実は目のくまには種類があり、それぞれ原因も改善方法も異なります。
このページでは、目の下のクマの見分け方とタイプ別の対策について詳しく解説。
さらに、今すぐクマをカバーするコンシーラーの選び方やメイク方法も紹介しています。
原因ごとに正しくケアして、スッキリ目元を取り戻しましょう!
【この記事の監修者】
よしクリニック 院長
中野 貴光 先生
幼児期に重度のやけどをし、皮膚移植手術を受けて一命を取り止めたことから形成外科医を志すように。
筑波大学卒業後、東京女子医科大学形成外科に入局。
日本大学医学部形成外科のオープニングスタッフやテキサス大学留学など多くの経験を積む。
2019年6月に「よしクリニック」を開院し、患者に寄り添ったわかりやすい説明と治療で信頼を集める。
また多くのメディアにも掲載されるなど、多方面でも活躍中。
【資格】
- 日本形成外科学会形成外科専門医
- 日本熱傷学会熱傷専門医
- 日本レーザー医学会レーザー専門医
- 日本手外科学会手外科専門医
- 日本形成外科学会小児形成外科分野指導医
- 医学博士
Contents
なぜ目にクマができる?原因と種類をチェック
目の下のクマは大きく分けて4種類に分けられます。
種類 | 原因 | 見分け方 |
---|---|---|
青クマ | 血行不良(睡眠不足、眼精疲労) | 目の下の皮ふを下や横にピンと引っ張ると色味が薄くなる |
茶クマ | 色素沈着(紫外線、目をこする) | 目の下の皮ふを下に引っ張っても色味が変わらない |
黒クマ | 皮ふのたるみ、脂肪の膨らみによる陰(加齢) | 上を向いたり、正面からライトを当てると目立たなくなる。(ほとんどのクマは黒クマに当てはまる) |
いわゆる寝不足や疲れで目の下にできるのが青クマです。
そもそも目の下は皮ふが薄く、血管が透けて見えやすい部分。
睡眠不足や眼精疲労で血流が滞ると、目の下が青く目立つようになります。
マッサージなどで血行を整えることで改善できる可能性が高いです。
一方、「眠っても改善されないクマ」が茶クマ、黒クマ。
茶クマは、刺激を受けて過剰分泌したメラニン色素がシミのように残ってしまうのが原因。
「目をこする」「油分の多い、濃いめのメイクを毎日している」といった習慣がある方は要注意です。
黒クマは、たるみや脂肪の膨らみによる陰がクマに見えるパターン。
加齢により頬骨の形が変わることが大きな要因です。
アイクリームなど化粧品でのケアを取り入れるのが効果的だと考えられます。
適切なケアをするために、まずは自分のクマのタイプを見極めましょう。
【目の下のクマの消し方】原因別にアイテムやマッサージ方法をチェック!
目のクマを根本から改善するには、毎日コツコツケアを続けることが大切です。
クマの種類に合わせてケア方法やアイテムをチェックしてみてください。
※タップ・クリックでスクロールします。
- セルフケアをしても今まで治らなかったクマ
- 進行した黒クマ
この2つは、セルフケアで改善するのが難しい症状です。
クリニックや専門機関の診断を受けて、しっかり治療を受けましょう。
青クマの消し方:マッサージやツボ押しで血行を整える
青クマは、ツボ押しやマッサージによる血行促進で改善が期待できます。
【青クマを改善する目元マッサージ】
- アイクリームを目の周辺にポンポンと塗布
- 目頭からこめかみに向かってさする(上まぶた、下まぶたともに)
- 目の上を「目頭→眉頭→眉の中央→眉尻→こめかみ」の流れで各3秒ずつ押し流す
- 目の下も「目頭→涙袋の中央→目尻→こめかみ」の流れで3秒ずつ押し流す
- こめかみに指の腹をそえて、円を描くようにマッサージ
- 耳下⇒首筋⇒鎖骨に沿って撫でるようにリンパを押し流す
【青クマに効くツボの押し方】
目の疲れを解消して血行不良を防ぐのに効果的なツボがこの3つです。
- 睛明(せいめい):目頭のくぼみにあるツボ
- 承泣(しょうきゅう):黒目の真下にある骨のくぼみにあるツボ
- 瞳子膠(どうしりょう):目尻の外側のくぼみにあるツボ
以下の順番で、左右を1セットとして3回繰り返すと効果的です。
- 右目の「睛明(せいめい)」を5秒ほど軽く押す
- 右目の「承泣(しょうきゅう)」を5秒ほど軽く押す
- 右目の「瞳子膠(どうしりょう)」を5秒ほど軽く押す
- 左目も同様に行う
回数:3セット
またマッサージやツボ押しをやるときは、アイクリームをつけるのがポイント。
摩擦によるダメージを防いで茶クマができるのを防げます。
目の疲れを溜めない工夫も重要
青クマを改善するには、目に疲れを溜めない習慣を心がけるのも大切です。
- 睡眠をしっかりとる
- ホットアイマスクやホットタオルで目元を温める
- スマホやパソコンの操作時はこまめに休憩を挟む など
血行を整える&疲労しない工夫をしてみてください。
茶クマの消し方:摩擦を避けて保湿ケア&美白ケア
色素沈着による茶クマは、保湿成分と美白成分でターンオーバーを整えるのが改善のカギ。
(参考:肌荒れの原因は「ターンオーバーの乱れ」かも!意味や周期、肌を整えるおすすめケアを解説)
下記のような成分が配合された化粧水や乳液を使って、毎日しっかりスキンケアするのを心がけましょう。
美白成分はメラニン色素の産生を抑制してくれるので、茶クマが濃くなるのを予防してくれます。
特にビタミンC誘導体はメラニン色素を還元する効果を期待できるので、茶クマの改善におすすめです。
黒クマの消し方:アイクリーム&トレーニングでリフトアップ
皮ふのたるみによる黒クマは、アイクリームでケアするのがベスト。
肌にハリと弾力を与える美容成分配合のアイテムを選んでください。
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- レチノール
アイクリームを塗る際は、「青クマ」で紹介したマッサージをしながら塗ると効果的です。
また、目の周りの筋肉「眼輪筋」を鍛えるトレーニングでのリフトアップも欠かせません。
【黒クマを改善するトレーニング】
- 背筋を伸ばして立つ
- 顔を天井に向けて、目は下を見る
- その状態のまま、瞬きを10回する
- 立ったまま、顔を下に向ける
- 上を見るように目を上に向けて、瞬きを10回する
- 目尻を外側に引っ張り、ギュッと強く目を閉じて5秒キープ
- 上まぶたを上に引っ張り上げて、そのまま目を閉じる
回数:3セット
トレーニングを続けることで筋力が鍛えられ、たるみが解消されることでクマの改善が見込めるでしょう。
ひどい黒クマはクリニックで治療するのがおすすめ
たるみのひどい黒クマは、セルフケアでの改善が難しいのが本当のところ。
クリニックや美容整形外科を受診して、下記のような治療を受けるのがおすすめです。
- ヒアルロン酸注射
⇒ヒアルロン酸を注入して痩せてしまった骨を補うことで、凹みをなくしたり、ハリを取り戻す - 目の下の切開手術
⇒たるんだ目の下の皮ふを切り取る - 目の下の脂肪除去
⇒切らずに目の下の余分な脂肪を除去する
たとえばヒアルロン酸注射なら4~10万円前後、脂肪除去なら8~20万円前後が治療費の目安。
※治療費や効果の持続期間は、症状によって異なります。
お金はかかりますが、セルフケアよりも大きな効果が期待できるでしょう。
症状の具合によって治療方法が異なるので、まずはクマの状態を診てもらってください。
なかなか改善しないクマは、下記のような病気の疑いがある可能性があります。
- バセドウ病:眼球が突出する病気で、初期症状にクマが出現しやすい
- ADM:アザの一種で、目の下にくすんだ色素沈着が見られる
医療機関での治療が必要なので、思い当たる方は一度病院で診てもらいましょう。
目の隈を即効で消す!メイクのコツとコンシーラーの選び方
今すぐ目の下のクマをカバーしたいなら、コンシーラーの色を使い分けるのがおすすめ。
クマの種類 | コンシーラーの色 |
青クマ | オレンジ系 |
茶クマ | イエロー系 |
黒クマ | ベージュ系、オークル系 →濃い黒クマはオレンジ系やピーチ系のコンシーラーを下に重ねるのがおすすめ |
クマの気になるところに点置きしてから、ポンポンと軽くたたきます。
薬指を左右にやさしくスライドさせて、全体になじませたら完了です。
また、クマを悪化させないために日中の紫外線対策も忘れずに。
日焼け止めクリームやサングラスを使って、目元の日焼けを防ぎましょう。
睡眠不足や疲れが原因に思われがちですが、たるみや脂肪、色素沈着もクマの原因。
クマのタイプをしっかり見極めて、適切なケアをするのが改善の近道です。
【目の下のクマの改善方法をおさらい!】
- 青クマ:アイクリーム+マッサージ・ツボ押しで血行を改善する
- 茶クマ:保湿成分と美白成分配合のスキンケアでターンオーバーを整える
- 黒クマ:軽い症状ならアイクリームとトレーニングでたるみを引き締める
→進行してきたら美容整形外科やクリニックを受診して専門治療を受ける
どうしても今すぐ隠したい!というときは、コンシーラーを使った応急処置もいいでしょう。
クマのタイプに合わせてカラーを選ぶと、ナチュラルで明るい印象に仕上がります。
目の下のクマはホームケアでしっかりアプローチして、明るい印象の目元を取り戻していきましょう。
「厚塗りになりたくない」「メイクが崩れやすい」という方は、コントロールカラー(化粧下地)を使うといいでしょう。