歯磨き粉の種類と効果を簡単解説!おすすめの選び方や正しい使い方までチェック

歯磨き粉の種類と効果を簡単解説!おすすめの選び方や正しい使い方までチェック

会話中や笑った時など、ふとした瞬間に見える歯だからこそキレイにしておきたいもの。
歯の黄ばみや口臭など、人知れずお悩みの方が多いかもしれません。

口腔ケアに悩んでいるなら、歯磨き粉を見直すのが手っ取り早いでしょう。
とはいえ、「歯磨き粉の種類が多すぎて、どれがいいのかわからない…」と迷ってしまいますよね。

そこで今回は、目的別に歯磨き粉の効果的な選び方を紹介。
さらに正しい歯磨きのやり方も解説しているので、チェックしてみてください。

歯磨き粉は必要?歯磨き粉の効果・用途

そもそも歯磨き粉の用途は、歯の表面や間にある歯垢(プラーク)を取り除くこと。

歯垢は白っぽくネバネバした細菌のかたまりで、食後約4~8時間ほどで発生します。
放置すると黄ばみや口臭、虫歯をはじめとした病気を引き起こしかねません。

歯磨き粉を使うことで、下記のような口腔トラブルを予防できます。

  • 虫歯予防
  • 歯周病予防
  • 口臭予防
  • ホワイトニング

歯磨き粉には、菌の繁殖を防いだり歯を丈夫にしたりする「フッ素」が含まれています。
フッ素のはたらきと歯磨き粉の洗浄作用によって、虫歯や歯周病が予防できるというわけです。

歯磨き粉で歯垢や口内細菌を取り除くことで、口臭予防も期待できます。

また最近ではホワイトニングを目的とした歯磨き粉も続々登場。
ホワイトニング歯磨き粉は、歯表面に付着したステイン(着色汚れ)を落とす効果を期待できます。

会話中の口臭を緩和したり、笑った時にチラッと見える歯を綺麗に見せたりするには歯磨き粉を使うのをおすすめします。

歯磨き粉の研磨剤で歯がすり減るって本当?

「歯磨き粉を使うと歯が傷つく」というイメージで、研磨剤に不安を抱く方も多いかもしれません。

たしかに研磨剤の影響で、多少は歯表面は削れるそうです。
ただ現在の歯磨き粉に含まれる研磨剤では、一生涯つかっても健康に支障が出るほど歯が削れることはないとされています。
(※参考:名張市かめい歯科クリニック)

がんこな歯垢や着色汚れを落とすのであれば、むしろ研磨剤が効果的。
「歯のトラブルで刺激を抑える必要がある」といった場合を除けば、研磨剤を心配しすぎることはないでしょう。

歯磨き粉のタイプは大きく3つ!種類ごとの違いを解説

市販の歯磨き粉は大きくわけて3種類あり、タイプによって特徴が異なります。

特徴おすすめの人
ペーストタイプ一般的な歯磨き粉。
泡立ちの良さや、目的に応じた多様な商品が揃っているのが特徴。
  • スッキリ感を求める人
  • コスパ重視の人
ジェルタイプ基本的に泡立ち作用はなし。
研磨剤不使用のものが多く刺激が少ない。
  • 歯や歯茎が敏感な人
  • 丁寧に歯を磨きたい人
  • 泡によるメイク崩れを防ぎたい人
フォームタイプポンプを押すと泡状の歯磨き粉が出てくるのが特徴で、口内で泡立てる必要がない。
  • 時短重視の人
  • ペーストタイプのねっとり感が嫌いな人
  • 小さなお子さんや高齢者の方

ペーストタイプは、発泡剤が入っているので泡立ちがよく、口内にスッキリ感を与えてくれるのが特徴。
少量でしっかり泡立つのでコスパにもすぐれています。
各メーカーから目的別の商品が多数登場しているので、自分にマッチするものを選びやすいでしょう。

ジェルタイプは、泡立たない歯磨き粉。
発泡剤や研磨剤を含まず低刺激なので、歯茎が敏感な方や歯科治療を受けた方に適しています。
「歯磨き粉の泡でメイク崩れしてしまう」というトラブルがないのも特徴です。

フォームタイプはすでに泡状になっているのが特徴。
忙しい時でもサッと磨けて、時短になるのがうれしいポイントです。
歯磨きに不慣れな小さなお子さんでも使いやすいタイプといえるでしょう。

【歯磨き粉の選び方】目的に合う種類をチェック

歯磨き粉を選ぶときは、悩みに合わせて成分をチェックするのがおすすめです。
好みのテクスチャーと合わせて、効果的な歯磨き粉を選んでみましょう。

虫歯予防:フッ素やキシリトールが虫歯に負けない歯をつくる

虫歯予防をしながら、キレイな歯を保つなら歯をコーティングしながら抗菌するのが大切。

下記のような成分が含まれているかをチェックしてみましょう。

  • フッ素
    ⇒歯の質を強化し、虫歯菌の繁殖を防ぐ
  • キシリトール
    ⇒虫歯菌のはたらきを弱め、歯を守るエナメル質を補う
  • ミネラル
    ⇒歯を守るエナメル質の主成分となる

虫歯予防の歯磨き粉の成分はフッ素が定番。
歯を強化して、虫歯菌に負けない丈夫な歯にしてくれます

フッ素が歯に作用すると、歯質はフルオロアパタイトという非常に安定した結晶構造を持つようになり、歯質は強化され酸に強い虫歯になりにくい歯になります。

(出典:総合病院 岡山協立病院)

フッ素には抗菌作用もあるので、虫歯菌の繁殖防止にも効果的です。
虫歯予防なら、フッ素含有量が1,000ppm以上と記載されているものがおすすめ。

キシリトールにもフッ素に近い虫歯予防のはたらきがあるので、あわせて確認してみましょう。
歯を強化するミネラルも配合された歯磨き粉なら、より虫歯予防に効果的でしょう。

知覚過敏:刺激を抑える成分やコーティングする成分が大切

飲食や歯磨きで歯がジーンとしみる知覚過敏には、外部刺激から歯を守るのが重要。

そもそも知覚過敏の原因は、虫歯や酸性系の食品の影響で歯をコーティングしているエナメル質が柔らかくなること。
※炭酸飲料、ビール、日本酒、オレンジ、グレープフルーツなど。
歯をコーティングしたり、歯の神経への刺激を抑えたりする成分をチェックしましょう。

  • 硝酸カリウム
    ⇒刺激が神経に伝わるのを防ぐ
  • 乳酸アルミニウム
    ⇒歯の小さな穴を塞いで刺激を抑える
  • ポリリン酸ナトリウム
    ⇒歯表面をコーティングして刺激を防ぐ

なかでも硝酸カリウムは、歯科院での知覚過敏の治療薬にも応用される成分
(※参考:医療法人社団徳梓会 近藤歯科クリニック)
歯の細胞周辺の神経伝達をブロックするはたらきがあるとされ、その作用によって歯の痛みを和らげるそうです。

虫歯で歯のエナメル質が弱っている方は、乳酸アルミニウムやポリリン酸ナトリウムで歯表面をカバー。
歯の隙間を埋めたりコーティングしたりする作用で、エナメル質の代わりになります。

上記成分が配合された歯磨き粉を使いつづけて、歯の痛みを少しずつ軽減していきましょう。

歯周病:薬用成分などで口内細菌を撃退

歯周病予防には、殺菌効果が期待できる成分配合の歯磨き粉を選んでみてください。

  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
  • 塩酸クロルヘキシジン(CHX)
  • 塩化セチルピリジニウム(CPC)

歯周病のおもな原因は、歯垢口内細菌の繁殖
歯をきちんと磨くと同時に、殺菌成分で細菌の繁殖を防止する必要があります。

上記の中でも高い殺菌効果を期待できるのが、薬用成分のイソプロピルメチルフェノール

中でも強力なものがイソプロピルメチルフェノール(IPMP)です。細菌の層を壊す高い殺菌作用があるので、歯周病が進行してしまっている方にお勧めしたい成分です。

(出典:関歯科医院)

塩酸クロルヘキシジンと塩化セチルピリジニウムも、細菌の減少効果が臨床実験で実証済み。

歯周病になって口臭や出血を引き起こす前に、上記成分でしっかり予防していきましょう。

口臭予防:殺菌成分で臭いを発生させる菌を減らそう

口臭予防には、殺菌成分をチェックするのが大切。

そもそも口臭の原因は、口内細菌が歯垢を分解するときに発生するガス
下記のような殺菌成分で、口内細菌を予防していきましょう。

  • イソデシルガラクトシド液
  • ラウロイルサルコシン
  • ナトリウム(LSS)
  • 塩化セチルビリジニウム(CPC)
  • トリクロサン(TC)
  • 塩酸クロルヘキシジン
  • 塩化亜鉛
  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)

口臭と歯周病をどちらも予防したい方は、イソプロピルメチルフェノールに注目して歯磨き粉を選んでみてください。

歯磨き粉の殺菌成分でお口の臭いを和らげて、口臭を気にせず会話を楽しみましょう。

【歯の磨き方のポイント6つ】歯磨き粉の効果を引き出す

歯磨き粉の効果をしっかり引き出すには、正しい磨き方をするのが大切です。

磨き方が間違っていると、歯茎を傷めたり歯を削りすぎたりしかねません。
歯磨き粉の効果を活かしてキレイな歯にするなら、6つのポイントを意識してください。

  • 歯磨き粉の量は1cmほどを目安につける
  • 歯ブラシを濡らさない
  • すすぎで歯磨き粉を流すのは1回〜2回
  • 歯ブラシの先を歯と歯茎の境目、歯と歯の間に密着させる
  • 歯ブラシの先が広がらない程度の力加減で磨く
  • 1箇所20回以上、歯1〜2本ずつ磨く

歯磨き粉が多いと泡立ちすぎて十分に磨けなかったり、研磨剤で歯の表面を傷つけたりする可能性があります。
たくさんつけすぎず、1cmほどの量を目安にしましょう。

さらに泡立ちすぎを防ぐために、歯ブラシは濡らさずに使うのが望ましいです。

歯磨き粉を洗い流す際のすすぎの回数は、実は1〜2回程度が理想。
しっかり歯磨き粉を流すと、歯磨き粉に含まれる成分まで洗い流されてしかねません。

歯磨きをしてフッ素が歯にそのままとどまれば、虫歯の予防効果も高まりやすいのです。
そのためには、すすぎは1~2度でも十分と言われています。

(出典:もちづき歯科医院)

また歯ブラシは歯の隙間や歯茎の境目を埋めるように密着させ、毛先が広がらない力加減で磨くのがポイント。
シャカシャカと大きくブラシを動かさずに、5mm〜10mmの幅を小刻みに磨きましょう。

歯磨きのコツを実践していけば、今まで以上に虫歯や口臭の予防につながるはずです。

歯の着色や虫歯、口臭など、口腔トラブル予防には欠かせない歯磨き粉。

ペースト・ジェル・フォームと、口内の状態や好みに合わせてタイプを使い分けましょう。
より効果的に使うなら、悩みや目的に合わせた成分もチェックするのもおすすめです。

●虫歯予防

  • フッ素
  • キシリトール
  • ミネラル

●知覚過敏

  • 硝酸カリウム
  • 乳酸アルミニウム
  • ポリリン酸ナトリウム

●歯周病予防

  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
  • 塩酸クロルヘキシジン(CHX)
  • 塩化セチルピリジニウム(CPC)

●口臭予防

  • イソデシルガラクトシド液
  • ラウロイルサルコシン
  • ナトリウム(LSS)
  • 塩化セチルビリジニウム(CPC)
  • トリクロサン(TC)
  • 塩酸クロルヘキシジン
  • 塩化亜鉛
  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)

ただし歯磨き粉でマウスケアしたいからといって、大量につけて磨くのはNG。
少量だけつけてすすぎ過ぎない」のが、歯磨き粉の効果を引き出すポイントです。

今日から歯磨き粉と磨き方を見直して、健康で美しい歯を目指していきましょう。