舌磨きで口臭予防!正しい・ダメな舌ケアのやり方、おすすめグッズの選び方まで徹底解説

舌磨きで口臭予防!正しい・ダメな舌ケアのやり方、おすすめグッズの選び方まで徹底解説

歯をキレイに保つだけにとどまらず、最近は口臭予防のために舌ケアが注目されています。

「舌苔ケアはしないほうがいいって本当?」
「舌磨きしてるのに、なかなか口臭が改善しない…」
など、意外に知らないことも多いかもしれません。

そこでこのページでは、舌ケアグッズの選び方や正しい舌磨きのやり方を紹介。
舌苔の原因など、口臭対策の基礎知識も解説しています。

口臭の原因になる舌苔とは?

そもそも舌苔(ぜったい)とは、細菌や食べカスが舌の上に固まった垢のようなものです。

舌の表面には「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」という小さな突起がたくさん存在し、凸凹になっています。
その突起の隙間に細菌や食べカスが詰まって固った、舌表面に白く付着しているものが舌苔です。

舌苔を放置していると、口内細菌が食べカスのタンパク質を分解。
分解後に便のような臭いのする物質が発生し、口臭を引き起こす原因になります。

黒色や黄色の舌苔の正体

舌の上が白っぽい他に、黒かったり黄色かったりする場合もあります。

  • 黄色の舌苔:飲食によって黄色に染まっている
  • 黒色の舌苔:タバコや雑菌の繁殖、または舌の病気

舌苔が黄色くなるのは、一時的な飲食によって染まっていることがほとんど。
飲み過ぎや食べ過ぎで染まるので、しばらく様子を見てみましょう。

また喫煙や雑菌の繁殖のしすぎで、舌苔が黒っぽくなることもあるようです。
舌の病気の可能性もあるので、黒みが消えない場合は病院を受診するのをおすすめします。

舌磨きによる効果・メリット

正しく舌ケアをすることで、下記のようなメリットが期待できます。

  • 口臭対策
  • 味覚が正常になる
  • インフルエンザの予防

舌ケアをする最大のメリットは、口臭の改善・予防が期待できること。
「歯磨きを毎日しているのに口臭が気になる」という方は、特に効果を実感しやすいでしょう。

また、鈍くなった味覚が正常になることがあるようです。
舌表面の「味を感じる部分」を覆う舌苔を除くことで、味覚をクリアに感じられるでしょう。

また舌の掃除は、インフルエンザ予防にもなるといわれています。

皆さんが歯磨きをおこなう際に「舌のケア」をおこない清潔な状態を保つことで、インフルエンザウイルスの体内への侵入を防ぎ、プラスαの予防効果を期待することができます。

(出典:細田歯科医院)

細菌のたまった舌苔を舌ケアで除去することで細菌が減少し、インフルエンザをはじめとするウイルスの侵入を防ぐことにつながるそうです。

見た目や口臭の改善だけでなく、健康を保つためにも、舌ケアを取り入れてみましょう。

「舌磨きはしないほうがいい」は本当?ケアするべき舌の状態をチェック

舌ケアは様々なメリットがありますが、体調や口内環境が良好であれば舌苔ケアをしないほうが良い場合もあります。

本来、舌苔は唾液による自浄作用や体の免疫によって自然と落ちる仕組み。
実際に、舌苔でやや白みがあるのが正常な舌の状態です。

ケアのしすぎを防ぐために、まずは舌の状態をしっかりチェックしましょう。

✔︎正常な舌の状態と舌苔が溜まった舌の状態

  • 正常な舌:淡いピンク色で舌苔で薄く白みがかっている
  • 舌苔が溜まった舌:白くて厚い舌苔が広範囲に現れ、場合によっては黄色っぽくなっている

上記を比較して、「白っぽさが舌全体に広がっている」「黄色っぽさが出ている」という場合は、舌苔が溜まっている可能性が高いです。

  • 大量の喫煙
  • 心身のストレス
  • 体の冷え
  • 不十分な口内清掃(歯磨きをしない)

上記に心当たりがある方は、特に舌苔が溜まりやすい傾向があります。

特にタバコを吸っている方は、ヤニが舌苔と混じってしまい悪化しやすいので要注意。

またストレスや腸内環境悪化による免疫力の低下口呼吸や唾液の減少による口腔乾燥という習慣があると舌苔が付着しやすくなります。

他に口の中に食べ物が残りやすい方は、咀嚼回数が少なすぎる可能性が高いです。
唾液の分泌量減少にもつながり、口臭の原因にもなりかねません。

なかなか口臭ケアに効果が出ない方は、まずは舌の状態から原因を把握することが大切です。
その上で必要なら、舌磨きグッズなどを使ってセルフケアを取り入れてみましょう。

舌磨きにおすすめの舌ブラシ・舌ジェルの選び方

舌をキレイに保つには、市販の専用ブラシやジェルを活用するのがおすすめです。

【舌ブラシの選び方】

  • 目的にあった形状のもの
    ⇒初心者には「ヘラタイプ」、ガンコな舌苔には「ブラシタイプ」
  • シリコン素材
  • 歯ブラシと同じくらいの長さのもの

【舌ジェルの選び方】

  • 用途にあった成分が含まれている
  • 研磨剤や発泡剤は未使用
  • 磨きやすい粘度かどうか

舌用ブラシには先端がヘラ状になっている「ヘラタイプ」と、先端が歯ブラシのような「ブラシタイプ」があります。

ヘラタイプは舌に低刺激なので、軽度の舌苔ケアや初心者向き
ブラシタイプは細かな舌苔も取れるので、ひどい舌苔に悩んでいる方におすすめです。

舌を傷つけて口臭を悪化させないために、シリコン素材やゴム素材を選ぶと良いでしょう。

 

舌ジェルは、用途に合わせて成分を使い分けるのがポイント。

【ガンコな舌苔を落とす】

  • 炭酸水素Na
  • 炭酸水素ナトリウム

【口臭対策】

  • クロルヘキシジン
  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
  • 塩化セチルピリジウム(CPC)
  • トリクロサン(TC)

【口内の乾燥対策】

また舌の表面は繊細な部分なので、刺激となる研磨剤や発泡剤が不使用のものが望ましいです。
商品パッケージに「研磨剤フリー」と記載がないかチェックしてみてください。

また、舌ジェルのテクスチャーにも注目しましょう。
サラサラだと垂れやすく、逆に粘度がありすぎると伸びが悪く磨きにくくなりかねません。

口コミなどで磨きやすい粘度かどうかをチェックしておきましょう。

歯磨き粉を舌ジェルに代用できる?

舌ジェルの代わりに歯磨き粉を使うのはNGなので要注意。
歯磨き粉には研磨剤や発泡剤が含まれているので、舌を傷つけかねません。

ただし歯と舌の両方に使える歯磨き粉もあるので、使い分けが面倒な方はドラッグストアで探してみてください。

【正しい舌磨きのやり方・頻度】1日何回?いつすればいい?

舌ケアの効果をしっかり実感するには、正しい方法や頻度で実践するのが大切です。

  • ケアのタイミング:朝の歯磨き前
  • 頻度:1日1回(軽度なら週2〜3回)

【やり方】

  1. 水を口に含み舌苔を柔らかくする
  2. 舌ブラシを水で濡らす
  3. 舌ジェルを舌ブラシまたは舌の上につける
  4. 舌をできるだけ前に突き出す
  5. 奥から手前の一方向にブラシを動かして磨く
  6. 5〜6回ほど磨いたら水でしっかり口の中をすすぐ

舌磨きをするタイミングは、歯磨きの前が望ましいです。

舌を磨く際は、舌表面を撫でるようにやさしく掃除することがポイント。
ゴシゴシと強く擦ると、舌を傷つけてしまうので注意してください。

舌ブラシを使うとえずいて吐きそうになる(嘔吐反射)方は、磨き方を工夫しましょう。
思いきり舌を前に出したり、口の天井部分に触れないようにしたりすると、嘔吐反射を予防できます。

舌苔がつきやすい方の舌苔ケアは、1日1回の頻度が目安。
1日に何回も磨くと舌の負担になるので、雑菌が増えやすい朝だけ磨くのをおすすめします。

口臭予防や軽度の舌苔ケアであれば、週2〜3回程度で十分でしょう。

舌苔が取れないからといって無理な舌磨きはダメ!

舌を強く磨きすぎると口腔トラブルを招くので、無理に舌苔を取り除くのはやめましょう。

舌ケアをしすぎると唾液の分泌能力が低下し、口内が乾燥しやすくなるといわれています。

舌磨きを過剰に行うと唾液の減少に繋がって、ドライマウスの進行や舌苔が常態化してしまい、口臭が強くなってしまう可能性もあります。

(出典:カルナデンタルクリニック)

かえって舌苔がつきやすい口内環境になり、口臭などを悪化させる原因になりかねません。

またブラシで強く擦ると、舌表面の粘膜や細胞が傷つきやすくなります。
味を感じとる器官まで傷つけると、味覚障害にもつながりかねません。
舌がヒリヒリと傷んだり、出血していたりする場合は、ケア方法が間違っている可能性が高いです。

口腔トラブルを防ぐためにも、正しい磨き方や頻度を守ってケアしてください。

日常生活で出来る舌苔の予防対策

舌苔を溜め込まないためには、生活習慣を見直して予防対策を実践するのも大切です。

  • 食事はよく噛んで食べる
  • 食後に口をすすぐ
  • マウスウォッシュを使う
  • 口臭タブレットを食べる
  • 就寝前に乳製品の摂取を控える

手軽に舌苔予防をしたいなら、咀嚼回数を増やすのが手っ取り早いでしょう。
咀嚼回数を増やすことで唾液が増えて、口内に食べカスが残りにくくなります。
一口30回を目安に、よく噛んで食べてください。

口臭予防は、食後に口をすすぐのを意識するのがポイント。

ワンランク上のケアをしたいなら、マウスウォッシュや口臭タブレットを活用してみてください。
マウスウォッシュを使えば食べカスを洗い流せるだけでなく、口内の雑菌の繁殖も抑えられます。
口臭タブレットは、食べるだけで舌の上の汚れにアプローチできるので外出時に便利です。

また、就寝前に乳製品を摂取するのを控えるのも舌苔ケアに効果的でしょう。

ヨーグルトや牛乳といった乳製品に多く含まれるタンパク質は、舌苔になりやすい成分。
寝ている間にタンパク質が舌にへばりつき、舌苔や口臭を悪化させかねません。

就寝前は白湯やハーブティーなど、タンパク質や糖分を含まない温かい飲み物がおすすめです。
腸内環境を整えて口臭予防にもつながります。

舌苔を除去することで口臭緩和だけでなく、インフルエンザの予防など健康維持にもつながります。

ただし舌ケアのやりすぎは、かえって口腔トラブルを招きかねません。
専用の道具を使って、正しいやり方と頻度を守るのが大切です。

✔︎正常な舌の状態と舌苔が溜まった舌の状態

  • 正常な舌:淡いピンク色で舌苔で薄く白みがかっている
  • 舌苔が溜まった舌:白くて厚い舌苔が広範囲に現れ、場合によっては黄色っぽくなっている

✔︎正舌ブラシと舌ジェルの選び方

舌ブラシ
  • 目的にあった形状のもの
    ⇒初心者には「ヘラタイプ」、ガンコな舌苔には「ブラシタイプ」
  • シリコン素材
  • 歯ブラシと同じくらいの長さのもの
舌ジェル
  • 用途にあった成分が含まている
  • 研磨剤や発泡剤は未使用
  • 磨きやすい粘度かどうか

✔︎舌磨きの正しいやり方

  1. 水を口に含み舌苔を柔らかくする
  2. 舌ブラシを水で濡らす
  3. 舌ジェルを舌ブラシまたは舌の上につける
  4. 舌をできるだけ前に突き出す
  5. 奥から手前の一方向にブラシを動かして磨く
  6. 5〜6回ほど磨いたら水でしっかり口の中をすすぐ

▼ケアのタイミング:朝の歯磨き前がおすすめ
▼頻度:1日1回(軽度なら週2〜3回)

舌ケアをする前に上記を振り返って、正しい方法で健康な口内環境を保っていきましょう。