「日焼け止めはSPFが高ければ安心」と思っていませんか?
実はUV効果が高くなるほど肌負担が高くなります。
SPFの数値も大事ですが、シーンや肌質に合わせて選ぶとより効果的です。
そこで今回は日焼け止めの正しい選び方や注目すべきポイントを紹介します。
あわせて市販のおすすめの日焼け止めも紹介しているので、購入時の参考にしてみてください。
Contents
日焼け止め表示の見方は?紫外線ダメ―ジから肌を守るSPF、PAの役割
日焼け肌の原因になる紫外線は、UV-A、UV-Bの2種類に分けられます。
UV-A |
|
UV-B |
|
UV-Aは皮ふの深層にある真皮に届き、老化現象を引き起こす原因の1つ。
肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやヒアルロン酸を作る細胞に直接ダメージを与えます。
紫外線の90%を占め、年間通して降り注ぐ量が多いのが特徴。
エネルギー自体は弱いものの、窓ガラスを通り抜けて室内にも届く紫外線です。
一方、UV-Bは表皮にダメージを与えて炎症を起こすおもな原因。
いわゆる夏場に肌を黒くする紫外線で、エネルギーが強いのが特徴です。
7~8月にかけて多く降り注ぎ、冬は半分以下の紫外線量になります。
浴びすぎると肌を乾燥させたり、ほてりや水ぶくれなどのトラブルを引き起こしかねません。
それぞれの紫外線ダメ―ジから肌を守る成分の強さを表すのが、SPF/PAです。
【SPF】UV-B(炎症、黒化)から肌を守る持続時間
SPFは、UV-Bを防ぐ効果指数のこと。
日焼け止めクリームを塗らない場合に比べて、「肌が黒くなったり、赤くなったりするのをどれくらいの時間防止できるか」を指しています。
SPF1=20~25分程度の持続時間で換算。
たとえば、SPF24の場合20分×SPF24=約480~600分(約8~10時間)持続することになります。
SPF15 | 約5~6時間 |
SPF20 | 約6~8時間 |
SPF30 | 約10~12時間 |
SPF50 | 約16~20時間 |
数値が大きいほど効果の持続時間が長くなります。
【PA】UV-A(シミ、シワ、たるみ)から肌を守る効果の高さ
PAは、UV-Aを防ぐ効果指数のこと。
4段回の指標で「+」の数が多いほど、防止力が高くなります。
+ | 効果がある |
++ | とても効果がある |
+++ | 非常に効果が高い |
++++ | 極めて効果が高い |
日焼け止めの正しい選び方ポイント3つ
日焼け止めクリームを選ぶときは、SPF/PAの強さを使い分けるのが大切。
実は「日焼け止めクリームはSPF/PA数値が高ければいい」というわけではありません。
数値が高いほど防御効果はあがるものの、肌に負担がかかるのがネックです。
日焼け止めクリームによる肌荒れを防ぐためにも、日焼け止めを選ぶポイントをチェックしておきましょう。
- SPF、PA値はシーンで選ぶ
→レジャー…SPF50、PA++++
→日常…SPF17~30、PA++~+++ - 紫外線吸収剤の有無
→あり…崩れにくさ重視向け
→なし…敏感肌向け - 使い心地
→テクスチャーをチェック
①シーンに合わせてSPF、PA値をチェックする
日焼け止めクリームを選ぶときは、シーンに合わせて適切なSPF/PAを使い分けるのが大切。
長時間の炎天下のレジャー マリンスポーツ | SPF50+ PA++++ |
屋外での短時間のスポーツ | SPF30 PA+++ |
通勤・通学 | SPF値17~30 PA値++ |
長時間日差しにさらされる炎天下のレジャーやマリンスポーツは、紫外線によるダメージが大きくなります。
数値の高い日焼け止めでしっかり紫外線をカットしましょう。
汗をかいても落ちにくいウォータープルーフタイプを選ぶとベターです。
また、通勤や通学、近所への外出など日常使いであれば、SPF30以下で十分。
肌負担が少ない洗顔料や石けんで落とせるものを選ぶといいでしょう。
上述していますが、紫外線は窓ガラスを通過します。
おうちで過ごす時も通勤、通学程度のUV効果のある日焼け止めを使いましょう。
日焼け止めクリームの効果を持続させるためにも、2~3時間ごとに塗り直しすることが大事です。
いくら高い数値のものを使っていても、薄かったり、塗りムラがあったりすると日焼け止め効果が落ちてしまいます。
ウォータープルーフタイプでも、汗をかいたり、こすったりして不均一になっている可能性が高いので、こまめに塗り直しましょう。
②肌質に合わせて紫外線吸収剤の有無を選ぶ
日焼け止めクリームを選ぶときは、肌質に合わせて紫外線を防ぐ成分を選ぶことが大事です。
紫外線を防ぐ成分は大きく分けて、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2つがあります。
紫外線吸収剤 | 紫外線散乱剤 | |
---|---|---|
仕組み | 紫外線を別のエネルギーに変換する | 紫外線を反射・散乱させる |
メリット | 白浮きしない 汗で崩れにくい | 刺激が少ない |
デメリット | 稀に刺激を感じることがある きしみ感を感じることがある | 白浮きしやすい |
成分 | ・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル ・パラアミノ安息香酸…など | ・酸化チタン ・酸化亜鉛…など |
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して別のエネルギーに変換することでUVカットする仕組み。
ウォータープルーフなど、汗で崩れにくいアイテムに使用されることが多いです。
レジャーシーンなど、高い日焼け止め効果が必要なシーンにおすすめです。
ただし、肌が敏感な場合はチクチクした刺激や赤み、湿疹があらわれる場合があるので注意してください。
(参考:肌への刺激が強い成分まとめ!肌に悪い化粧品を避けたい人必見)
一方、乱反射剤は紫外線を反射、散乱させてUVカットする仕組み。
比較的日焼け止め効果が穏やかで、ジェルタイプやローションタイプに使用されることが多いです。
刺激が心配な方、肌が荒れやすい方は紫外線散乱剤がおすすめ。
「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」とパッケージに記載されているものを選んでみてください。
最近では、紫外線散乱剤タイプでも白浮きしにくいアイテムも続々登場。
中には2つ紫外線防止剤が配合された、いいとこどりの日焼け止めクリームもあります。
その他のチェックするべき成分
日焼け止めクリームを選ぶときは、肌の状態に合った成分が含まれているかもチェックしておくとベターです。
乾燥肌 | 保湿成分 ・ヒアルロン酸 ・~エキス ・フラーレンなど |
ニキビ肌 | ノンコメド処方 |
肌の乾燥が気になる方は、保湿成分が配合されたものがおすすめ。
ヒアルロン酸や植物エキスなどが代表的です。
ニキビができやすい方はニキビの元になりにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の記載に注目して選んでみてください。
③使用感、使い心地のいいテクスチャーを選ぶ
毎日使う日焼け止めクリームは、使いやすさ、使い心地が良いと感じるものを選ぶことも重要です。
日焼け止めクリームのタイプで質感や特徴が異なります。
テスターが置いてある場合は手の甲で、伸びや使用感を確かめるといいでしょう。
使用感はパッケージにも記載があるので、合わせてチェックしてみてください。
クリーム | しっとり 保湿力◎ | ・他のタイプに比べて落ちにくい |
スティック | しっとり 保湿力◎ | ・密着性が高い ・塗りなおしが簡単 |
乳液/ミルク | なめらか さらさら | ・伸びがいい ・肌にやさしい ・比較的簡単に落とせる |
ローション (振とう式) | みずみずしい さらさら | ・伸びがいい ・塗布しやすい |
ジェル | みずみずしい さっぱり | ・伸びがいい ・さらっとしている |
スプレー | さっぱり さらさら | ・簡単に広範囲に吹きかけられる ・塗りにくい場所に楽に届く |
シート | さっぱり さらさら | ・汗も一緒に拭き取れる ・シャワーで洗い流せる |
しっとりした質感を好む方はクリーム、スティックがおすすめです。
保湿力が高いので肌が乾燥しやすい方、日焼け止めのきしみ感が苦手な方も向いています。
落ちにくいものが多いので、塗り直しが難しい時は選んでおくといいでしょう。
化粧水や乳液のような感覚で使いやすいのが、さらっとした使い心地の乳液やローション。
乳液タイプの方がローションタイプよりしっとりしています。
比較的落としやすいので、日常づかい向きです。
日焼け止め特有のベタつきが苦手な方は、みずみずしくサッパリしたジェルがおすすめ。
外出先や時間がないときは、サッと使えてサラサラ感のあるスプレータイプやシートタイプが便利です。
おすすめの日焼け止め8選
ここからは上記3つのポイントを踏まえて、シーン別におすすめの日焼け止めを選んでいます。
数ある日焼け止めの中で購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
レジャーに最適なウォータープルーフ
塗り直しがなかなかできないレジャー。
UVカット率はもちろん、ウォータープルーフ効果が高い日焼け止めを選んでいます。
- マリンスポーツ向き…アリィー「エクストラUV パーフェクト」
- 乾燥、きしみが気になる方向き…ドクターシーラボ「UV&WHITE エンリッチリフト50+」
- ニキビができやすい方向き…アネッサ「パーフェクトUV スキンケアジェル」
アリィー「エクストラUV パーフェクト」
UV効果 | SPF50+ PA++++ | 値段 (税込) | 2,178円 |
タイプ | ローション (振とう式) | 紫外線吸収剤 | 使用 |
クレンジング | 必要 | 下地効果 | 有 |
とにかく擦れ、汗、水に強く落ちにくい日焼け止めを求める方におすすめです。
非常に擦れに強い「フリクションプルーフ」は独自技術で、高いUV効果があります。
日差しが強い中の海やプールなどのレジャーにぴったり。
保湿成分にヒアルロン酸が配合され、肌もいたわった設計です。
ドクターシーラボ「UV&WHITE エンリッチリフト50+」
UV効果 | SPF50+ PA++++ | 値段 (税込) | 4,180円 |
タイプ | クリーム | 紫外線吸収剤 | 使用 |
クレンジング | 必要 | 下地効果 | 有 |
UV効果が高い日焼け止めはきしむ、乾燥を感じる方向きです。
保湿成分ヒアルロン酸、コラーゲンやフラーレンなどの整肌成分が含まれハリ艶を与えてくれます。
高いUVカット率はもちろん、近赤外線やブルーライトカット、ウォータープルーフでしっかり肌をガード。
ほんのりピンク味のあるベージュカラーで、色ムラやくすみの修正をしたい方にもおすすめです。
アネッサ「パーフェクトUV スキンケアジェル」
UV効果 | SPF50+ PA++++ | 値段 (税込) | 2,640円 |
タイプ | ジェル | 紫外線吸収剤 | 使用 |
クレンジング | 不要 | 下地効果 | 有 |
ニキビの元になりにくい処方で、脂性肌の方も使いやすい日焼け止めです。
スキンケア成分50%配合で、荒れやすい肌を守りながらUVケアします。
UVカット効果が高いのに、せっけんで落ちるところも魅力です。
汗、水でUV膜がさらに強くなる独自技術で、汗をかきやすくても安心でしょう。
日常使いで活躍する低刺激設計
日常使いしやすいSPF30前後の日焼け止めから、できるだけ肌負担かからない日焼け止めをピックアップしています。
クレンジング不要で落としやすい点にも考慮しました。
- 軽いスポーツ向け…アネッサ「モイスチャーUV マイルドミルク a」
- 敏感肌、ニキビ肌向け…ノブ「UVミルクEX」
- 揺らぎ肌、乾燥肌向け…ユースキンS「UVミルク」
アネッサ「モイスチャーUV マイルドミルク a」
UV効果 | SPF35 PA+++ | 値段 (税込) | 3,300円 |
タイプ | ミルク | 紫外線吸収剤 | 使用 |
クレンジング | 不要 | 下地効果 | 有 |
汗・水でUVブロック膜が強くなる「アクアブースター技術」で軽い屋外でのスポーツに向いています。
無添加(アルコール、防腐剤(パラベン)、鉱物油不使用)・無香料・無着色。
ベビー、キッズと一緒に使える低刺激設計です。
環境ダメージブロック処方で紫外線や空気中の微粒子からも、荒れやすい肌をやさしく守ります。
ノブ「UVミルクEX」
UV効果 | SPF32 PA+++ | 値段 (税込) | 2,200円 |
タイプ | ミルク | 紫外線吸収剤 | 不使用 |
クレンジング | 不要 | 下地効果 | 有 |
ノンコメドジェニックテスト済みで敏感肌でニキビができやすい方に向いています。
紫外線吸収剤不使用タイプで、できるだけ肌に刺激の少ないものを探している方におすすめです。
ウォーターベースの日焼け止めで、お湯で落とせるのもポイントです。
ユースキンS「UVミルク」
UV効果 | SPF25 PA++ | 値段 (税込) | オープン価格 |
タイプ | ミルク | 紫外線吸収剤 | 不使用 |
クレンジング | 不要 | 下地兼用 | - |
ミルクの中でも比較的保湿力が高いため、乾燥が気になる方におすすめです。
しそが持つパワーに着目し「うるおす力+守る力」でデリケートな肌を守りながらUVケア。
保湿成分ヒアルロン酸、アミノ酸も配合され、うるおいを与えます。
季節や体調によってカサつき、ピリピリ、むずむず、赤くなりやすい敏感肌を紫外線に負けない肌に導きます。
塗り直しに便利!手を汚さず広範囲を一度に塗れる
出先の塗り直しに便利な手を汚さずに使える日焼け止め。
広範囲に一度に塗れるか、塗り直しやすさや手軽さを重視して選んでいます。
- 塗り直しをしっかりしたい方向け…ランテルノ「ホワイトUVプロテクト」
- とにかく早くUVケアしたい方向け…「サンカットプロテクトUVスプレー」
ランテルノ「ホワイトUVプロテクト」
UV効果 | SPF50+ PA++++ | 値段 (税込) | 3,490円 |
タイプ | スティック | 紫外線吸収剤 | 使用 |
クレンジング | 必要 | 下地効果 | 有 |
肌のゴワつき、塗り直しをしっかりしたいけれどメイク崩れが気になる方におすすめです。
塗り口が幅広のため顔だけでなく、腕や首にもスルスル塗れます。
スティックにメイクがつきにくい設計で、メイク崩れの心配が少ないのもポイント。
さらにサンガードフラーレンが、紫外線ダメージ*をケアして、肌を守ります。
*乾燥による肌のザラつきやキメの乱れ
コーセーコスメサポート「サンカットプロテクトUVスプレー」
UV効果 | SPF50+ PA++++ | 値段 (税込) | 698円 |
タイプ | スプレー | 紫外線吸剤収 | 使用 |
クレンジング | 不要 | 下地効果 | 有 |
とにかく素早く全身のUVケアをしたい方におすすめです。
逆さまにしても使えるので、手の届きにくい背中も楽に届きます。
以前よりさらさらパウダーが増量し、速乾性もアップ。
重ねて塗ってもベタつきにくく、汗をかいてもさらさらした肌をキープしてくれます。
紫外線対策に欠かせない日焼け止め。
日焼け止め選びに大事な3つのポイントを押さえて、より効果的に日焼け止めを使いましょう。
- SPF、PAはシーンに合わせて選ぶ
→レジャー…SPF50+、PA++++
→日常…SPF17~30、PA++~+++ - 肌質に合わせた成分
→敏感肌…ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)
→乾燥肌…ヒアルロン酸、~エキス
→ニキビ肌…ノンコメドジェニック - 使い心地
→しっとり…クリーム
→さっぱり…ジェル
→さらさら…ローション、ミルク
なかなか塗り直しができないレジャーであれば、ウォータープルーフがベター。
日常使いであれば、落としやすさを基準に選んでみてください。
自分にあった日焼け止めで、肌を守りながらしっかり紫外線対策していきましょう。
日本で販売されている日焼け止めクリームは、SPF50+が最高数値です。
+は「SPFが51より大きい」という意味で、約20時間以上のUV-B防止効果を期待できます。