「タバコを吸い始めてからニキビがよくできるようになった」
「タバコの本数が増えるとニキビも増えるような」
「禁煙した方がやっぱりお肌のためになるのかな?」
など直接目に見えるわけではないものの、”なんとなくタバコのせいでニキビができている気がする”人は多いのではないでしょうか?
結論から言うと、タバコはニキビの原因になる可能性が高いです。
今回はタバコとニキビの関係について徹底解説します。
Contents
タバコはお肌の毒!ニキビの原因になりえる
タバコには約200種類以上もの有害物質が入っています。
なかでもニコチン・タール・一酸化炭素の3つはとても悪者で、『タバコ3大有害物質』と呼ばれています。
●ニコチン
⇒肌を傷つけたり血管を収縮させて血行を悪くする。依存性があり、タバコをやめられない体にしてしまう。
●タール
⇒べっとりと肌にこびりつくので毛穴を詰まらせる。いわゆる「ヤニ」と呼ばれるもの。
●一酸化炭素
⇒体中を酸欠にして、肌のターンオーバーを乱す。
これらの有害物質が肌にダメージを与え、>ニキビができる可能性</spanを上げてしまいます。
タバコはシワやたるみなど”スモーカーズフェイス”を作る
タバコが肌にもたらす悪い影響は、ニキビだけに収まりません。
シワ・シミ・たるみなど、肌の老化を促進させてしまう可能性もあります。
”スモーカーズフェイス(たばこ顔・喫煙者容貌)”という呼び名があるほど、明らかに肌を老化させていきます。(実年齢より+5~10歳老けて見えると言われています。)
スモーカーズフェイスの例
例1)
(出典:Women unaware of smoking risks)
イギリス国営放送のBBCによって実施された実験の画像。
22歳の双子の女性(左の女性がタバコを吸い続け、右の女性はタバコを吸わなかった)の40歳時点の顔をシミュレーションした結果です。
肌の色もハリも全然違いますよね。
例2)
(出典:gizmodo)
1日20本のタバコを10年間吸い続けるとどうなるのかシミュレーションした画像です。
皮膚にうるおいがなくなり、深いシワが増えています。目の周りにクマができ、肌がくすんでいますね。
例3)
(引用元:Medicinnet.com)
喫煙者と非喫煙者の双子の写真を比べたものです。
左の女性はタバコを全く吸わず、右の女性は14年間1日あたり半パック(10本)を吸っていました。
右の女性の方がシワが深く、明らかにほほや目の周りのたるみが目立っています。
このようにタバコはお肌にダメージを与える可能性が高いものです。
タバコがニキビの原因になりうる理由7つ
タバコがニキビの原因になりうる理由は、どれも上で紹介した『タバコの3大有害物質』のニコチン・タール・一酸化炭素が影響しています。
1.活性酸素が発生することで肌を傷つける
ニコチンやタールのせいで、肌にも体内にも活性酸素がたくさん発生します。
活性酸素は本来、体外から侵入してきたウイルスを退治してくれるものです。
健康に生活していくうえで欠かせません。
しかし、発生しすぎると肌の正常な組織まで攻撃してしまう問題児でもあります。
増えすぎた活性酸素はとても攻撃的です。
元気なお肌の細胞まで痛めつけるので、肌はボロボロになってしまう可能性があります。
肌を守る力が弱くなり、雑菌が繁殖しやすくニキビができやすくなっていきます。
2.便秘になってお肌に毒素がまわる
ニコチンは腸内フローラ(※)のバランスを崩し、体に悪い悪玉菌を増やします。
※腸内フローラとは
腸内にいる3つの菌(体に良い善玉菌、悪い悪玉菌、どっちつかずの日和見菌)のこと。
2:1:7のバランスだと腸内環境が整っていると言えます。
というのも、悪玉菌はニコチンが大好物なんですね。
喫煙で体に入ってきたニコチンをパクパク食べて、増えていきます。
悪玉菌が増えると腸の働きがにぶるので、排便ができず便秘がちに。
便は毒素のかたまりなので、体の中に残しておくのは危険です。
そこで体は「おしりから出せないなら、毛穴から出そう」と毒素をお肌に送ってしまいます。
その結果、毛穴の中に毒素が詰まりニキビが出現してしまうきっかけになるのです。
便秘は口周り・フェイスラインのニキビを増やす
便秘の人は、口周りやフェイスラインにニキビができやすくなるといわれています。
この2つのパーツは、顔の他のパーツに比べて毛穴が小さく詰まりやすいのが特徴です。
便秘で腸から毒素が回ってくると、すぐに詰まってニキビになってしまいます。
3.体内のビタミンCを大量に消費して不足させる
ビタミンCは、活性酸素から肌を守る”抗酸化作用”があります。
攻撃的になった活性酸素をなだめてくれるんですね。
ただ喫煙者は活性酸素の量がとても多いので、ビタミンCを異常に消費して不足させてしまいます。
(※)タバコたった1本だけで25~100mgものビタミンCを消費します。
1日のビタミンC摂取量は女性の平均で60mgほどなので、タバコを2本吸っただけで1日のビタミンCが無くなってしまう計算になります。
ビタミンCは抗酸化作用の他、
- 肌のターンオーバーを活性化する
- 美白効果でシミをできにくくする
- 皮脂の量を整えて、毛穴を詰まりにくくする
などたくさんの効果をもっていて、美肌をキープするのには欠かせない成分でもあります。
これがタバコのせいで不足するので、肌が荒れてニキビもできやすくなってしまいます。
4.血管が細くなって栄養が通れなくなる
ニコチンは血管を収縮させ細くしてしまう作用があると言われています。
血管は肌にとって大切な栄養の通り道。
しかし、細くなると栄養が通れないので、肌は少しずつ栄養不足になっていきます。
そして栄養不足で元気がなくなるとターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れていきます。
”ターンオーバーができない=古い肌(汚れ)がいつまでも残っている状態”
となり、雑菌が繁殖してニキビができる可能性が上がります。
5.酸欠で女性ホルモンが作れずホルモンバランスが崩れる
酸素は女性ホルモンを作るときの大切な材料です。
しかし、喫煙者は一酸化炭素のせいで体中が酸欠になっています。
女性ホルモンが上手く作れず、ホルモンバランスが崩れてしまうのですね。
女性ホルモンは美肌を保つうえでとても大切です。
そのため女性ホルモンが足りなくなると
- 肌を守る力が弱くなって、すぐに赤みやかゆみが出る
- 肌の潤いが足りなくなって乾燥する
- ターンオーバーが乱れる
このような影響が出て、ニキビができやすくなってしまいます。
6.ニコチンが深い眠りを邪魔して睡眠不足になる
「リラックスできて眠りやすくなるから」と寝る前までタバコを吸う人は多いはず。
しかし実は、タバコを吸う人は吸わない人に比べ4~5倍不眠症になりやすいと言われています。
これはニコチンにとても強い覚醒効果があるから。(筋トレなど激しい運動をしたときと同じくらいの心拍数になります。)
体や脳が興奮して「なかなか寝付けない・夜中に何度も目覚めてしまう」といった状態を作ってしまうのです。
肌のターンオーバーは睡眠中に行われます。
ですので、しっかり眠れないとターンオーバーが乱れてニキビができやすくなってしまうんですね。
7.タールが毛穴の中にこびりついて毛穴を詰まらせる
タールは体内だけでなく、煙になって肌に直接くっつきます。
タバコの煙の粒子は1μm(マイクロメートル)以下ととても小さく、毛穴の中に簡単に入りこめるんですね。
※毛穴は100~300μm
またタールは粘っこく1度つくとなかなかとれません。
どんどん蓄積して毛穴を詰まらせてニキビを引き起こしてしまいます。
タバコを吸う量を少しずつ減らし禁煙の準備をしよう
タバコを悪化させたくないなら禁煙することが一番です。
でも「いきなり1本も吸わないのは難しい」という方が多いのではないでしょうか。
そんな方にオススメの方法が減煙です。
今日からタバコを吸う量を減らす努力をしていきましょう。
減煙するだけでもお肌への負担を和らげることができます。
1日1箱、もしくはそれ以上吸っている人は明らかに吸いすぎです。
できるだけ早く1日10本以内に抑えられると良いですね。
「年内・半年後まで」など禁煙する期限を決めて、自分のペースで減らしてみてください。
手持ち無沙汰のときや口寂しいときに、ついタバコに手が伸びてしまうという人は
- フリスクやガムなどで口の寂しさを抑える
- ニコチン・タールフリーのビタミンタバコで吸った気分にする
など、とにかくタバコを吸いたいという気持ちをまぎらわすようにしてみるのがオススメです。
タバコをやめたら逆にニキビができるって本当?
仕事が忙しい人などは、タバコでストレス発散をしている人も多いと思います。
そのため急にタバコが吸えなくなると、ストレスが溜まって逆にニキビが増える可能性があります。
いきなり無理に禁煙するのではなく、タバコの代わりになるストレス発散法を見つけつつ、ゆっくり頑張りましょう。
iQOS(アイコス)もニキビに害はある
残念ながらiQOS(アイコス)にも肌を傷つけるニコチンは含まれているので、ニキビや肌に害が全くないわけではありません。
ニコチンによるタバコへの依存も避けられないので、禁煙の役にも立ちません。
しかし、iQOS(アイコス)は、紙タバコに比べ有害物質が90%カットされているのが大きな特徴。
健康への被害は軽減できるといわれています。
また、iQOS(アイコス)はタールが一切含まれておらず煙が出ません。
ですので、煙が毛穴の中にこびりついて毛穴を詰まらせる心配はありません。
そういった面では、紙のタバコよりもiQOS(アイコス)に変えたほうが、ニキビへの悪影響はやや軽減できるでしょう。
タバコの肌への影響を少しでも和らげる方法5つ
最後に、なかなかタバコをやめることができない方向けに、タバコは吸いつつもタバコの肌への悪い影響を和らげる方法を5つ紹介します。
簡単に始められることばかりなので、参考にしてみてください。
1.食生活を見直す
普段食べているものを意識するだけでもタバコの影響は和らげることができます。
以下のものを積極的に食べるのがオススメです。
・果物や野菜などビタミンCたっぷりのもの
活性酸素のせいで不足ぎみのビタミンCをしっかりと食べ物から補ってあげましょう。
ビタミンCのたっぷりの食物
【果物】
バナナ、いちご、みかん、アセロラなど
【野菜】
トマト、パプリカ(赤・黄)、ブロッコリー、ホウレンソウなど
・ヨーグルトや納豆など善玉菌を増やすもの
喫煙で悪玉菌が増えてしまっているので、善玉菌を増やす食べ物もたくさん食べましょう。
乳酸菌・オリゴ糖・食物繊維の3つをたっぷり取るのが効果的です。
善玉菌がたくさん入った食品
【乳酸菌が多く入った食品】
ヨーグルト、チーズ、ぬか漬け、キムチなど
【オリゴ糖が多く入った食品】
納豆、バナナ、はちみつなど
【食物繊維が多く入った食品】
きくらげ、干しひじき、いんげん豆、ゴボウなど
・大豆や卵など女性ホルモンを増やすもの
ポリフェノールとタンパク質は、女性ホルモンを増やす材料になります。
女性ホルモンを増やすサポートをしてくれる食品
【ポリフェノールたっぷりの食品】
大豆食品(納豆・豆腐・油揚げ)、ブルーベリー、ぶどうなど
【タンパク質たっぷりの食品】
卵、お肉(豚肉・鶏のささみ)、魚介類(干しイワシ・スルメ)など
2.紫外線対策をこまめに行う
紫外線を浴びることでも活性酸素は発生します。
すでにタバコを吸うことで活性酸素が増えてしまっているので、これ以上増やさないためにも紫外線対策は大切です。
日焼け止めは毎日塗るのをオススメします。
SPF20~30のものを、2、3時間ごとに塗り直すようにしてください。
また、帽子や日傘も活用して、1年中紫外線からお肌を守ることを心がけてください。
晴れた日だけでなく、曇りの日も紫外線は出ているので、油断せずにしっかり対策するようにしましょう。
3.ウォーキングなど運動をして体をポカポカさせる
タバコで細くなった血管を、運動によって広げてあげましょう。
運動をすると筋肉が動き、それに伴って血管が広がるので、血行を良くすることができます。
ウォーキングやヨガなど、体がポカポカして少し汗をかくくらいのものがオススメです。
しっかりと血管を広げるためにも、なるべく20分以上は運動を続けるようにしましょう。
「そんなに時間がとれない」という人は、5分だけでもOK!
全くしないより、全然マシです。
一方、過度な筋トレや全速力で走るなど息が切れるような運動はNG。
逆に活性酸素を発生させてしまいます。
4.寝る3時間前にはタバコを吸わない、質の高い睡眠をとる
少なくとも寝る3時間前にはタバコを吸わないようにしましょう。
寝る直前に吸うと、覚醒作用のせいでぐっすりと眠れなくなります。
睡眠の質を上げてターンオーバーを活性化させるためにも
- 寝る3時間前には何も食べない
- 寝る前にテレビやスマホの画面を見ない
- コーヒーや紅茶などのカフェインを摂らない
- 寝る直前に筋トレなど激しい運動はしない
これら4つのことにも気を付けられるとよりいいでしょう。
体をリラックスさせて、毎日ぐっすり眠れるように準備してあげましょう。
5.喫煙所など煙たいところに行かない
毛穴を詰まらせる原因となるタバコの煙を浴びないようにするために、喫煙所など煙モクモクのところには極力行かないようにしましょう。
「タバコは家にいるときだけ吸う」など、吸う場所を決めておくのがいいかもしれません。
ちなみにタバコの煙をさけるという点だけであれば、タバコからiQOS(アイコス)に変えるのも効果的です。
禁煙が難しい方も今回紹介した7つの方法で、できるだけタバコの肌への影響を減らしてあげましょう。
全て実践するのは大変だと思いますので、自分ができそうなことから1つずつ取り入れてみてください。