ひどい首のシワの原因は加齢だけじゃない?原因・改善方法・予防策をまとめて解説

あなたの首は大丈夫? 首にシワができる原因とケア方法

首に深いシワができるのは、実は加齢だけが原因ではありません
毎日の生活習慣によっては、年齢や体型に関係なく首のシワが目立つこともあります。

そこで「首のひどいシワを消したい」という方のために、首にシワができる原因と改善方法を解説。
さらに首まわりのシワ予防方法についても紹介しています。

スキンケアからマッサージ方法まで紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事の監修者】

飛田砂織先生

CLINIC SURE Ginza 院長
飛田 砂織 先生

1995年 群馬大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院勤務(麻酔科、救急部・集中治療部)
1998年 北里大学病院勤務(救命救急センター)
2005年 学位取得(北里大学)、東京女子医科大学附属青山女性医療研究所 美容医療科等にて研鑽を積む
2015年 10月 クリニックシュアー銀座 開院

美容皮膚治療に特化した大学附属で助教や非常勤講師を務めるなど、美容医療に精通。
国際学会に参加し世界の美容治療情報を生かした治療を行い、アップデートを欠かさない。
抗加齢医学に基づき一人ひとりに合わせた、自然な美しさを引き出す治療を行っている。
多数の雑誌、メディアに出演し、肌で悩む方々から厚い信頼を得ている。

CLINIC SURE Ginza(クリニックシュアー銀座)

加齢だけじゃない!首にシワができる原因3つ

首にシワができる原因は、大きく分けて3つあります。

  • 肌の乾燥による水分不足
  • 加齢によるハリ不足
  • 悪い姿勢によるたるみ

①肌の乾燥による水分不足

肌質や年齢によって、もともと皮脂の分泌が少な目な場合、細かいたてジワといった、ちりめんジワと呼ばれるようなシワが見られることがあります。
これは、肌の乾燥が一因。

また首は顔と比べてケアを少しおこたってしまうこともあり、外部刺激を受けやすい部分とも言えます。

紫外線ダメージ服の摩擦などの刺激を受けて肌が乾燥することで、シワが目立つようになるというわけです。

さらに首は、皮脂を分泌する皮脂腺が、おでこといった、いわゆる脂漏部位といわれる顔の部分と比べて少ないと考えられます。
(※参考:あたらしい皮膚科学、第2版、清水宏他、中山書店、2011年、p24.)

ハリのある健康な肌は、皮脂が肌表面を覆って肌の水分蒸発を防止。

しかし皮脂の少ない首の皮ふはスキンケアをしないと水分不足になりやすく、キュッとしぼんだ部分がシワになりかねません。

フルーツを乾燥させてドライフルーツにすると、シワシワになるイメージです。

「首までスキンケアしていなかった」という方は、まずは紫外線対策、保湿ケアを見直す必要があるでしょう。

②加齢によるハリ不足

30代後半〜40代をさかいに首のシワが深くなってきた方は、加齢によるハリ不足が原因の可能性が高いでしょう。

年齢を重ねていくと、女性ホルモンの減少などが主な原因となり、次のような症状で首の皮ふがたるみやすくなります。

  • 皮脂や水分量の減少による乾燥
  • 筋力の衰え

以下のグラフの通り、30代〜40代以降から皮脂や肌の水分量がガクッと減少
今まで乾燥肌でなかった方も、加齢によって乾燥しやすくなるので油断できません。

年齢別の肌の水分量の変化引用:J-Stage「肌状態の解析」
(※参考:肌状態の解析、平井裕香、藤井政志、坂口慎二、田野順子、柳原孝次、片田順規、左近健一、粧技誌 第21巻第1号、1987年、p19.)

首には、「広頸筋(こうけいきん)」という大きな筋肉があります。
アゴから胸にかけて繋がっていて、口角を「いー」とした時に引き上がるように動く部分です。

この広頸筋が、ピーンと張っているのが正常な状態。

しかし年齢によって筋力が低下し広頸筋がゆるんだり、逆に首にあるじん帯と呼ばれるすじにしなやかさがなくなることで、首がたるんで深いよこジワや、縦に線状に走るすじができやすくなります。

加齢による首のシワは保湿だけでなく、しなやかに首の筋力を高めるアプローチも必要です。

【セルフチェック】生まれつき首にシワがある場合もあり

年齢に関係なく、生まれつき首にシワができているケースもあります。

シワの原因を探るには、まずは首の皮ふを上下に伸ばしてみてください。
上下に皮ふを伸ばしてもシワが消えないのであれば、生まれつきできている首のシワの可能性が高いです。

特に首の横にできる横ジワは、生まれつきのものが多いといわれています。

とはいえ、生まれつきの首のシワもケアや治療で目立たなくすることも可能です。

》セルフケア方法を先にチェックする

③悪い姿勢によるたるみ

姿勢の悪さによる首の筋力の衰えは、年令問わず首にシワができる原因です。

  • 猫背で背中が丸まっている
  • パソコンやスマホの操作で下を向く姿勢を長時間続けている

という方は要注意。

顔を下に向け続けると、首を支える筋肉(広頸筋)が衰えて皮ふがたるんだ状態になります。

特に加齢によって肌の弾力、特に真皮のコラーゲンやエラスチンが失われている状態だと、肌に水分量が少なくなり、ハリがないのでシワの跡がつきかねません。
(※参考:見た目のアンチエイジング、見た目のアンチエイジング研究会編、文光堂、2011年、p90.)

姿勢によるシワは、スキンケアとエクササイズの両面からケアしていくのがいいでしょう。

首のシワを取るにはスキンケアで保湿

首のしわ取りは、まずは保湿ケアにこだわるのが大切。

高保湿成分シワ改善作用のある成分をチェックして、化粧水や乳液を見直してみましょう。

下記の成分が、成分表のはじめのほうに記載されているアイテムを選んでみてください。

✔︎高保湿成分

  • セラミド
  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • アミノ酸
  • グリセリン
  • スクワラン

✔︎シワ改善成分

  • NEI-L1(ニールワン)
  • 純粋レチノール
  • リンクルナイアシン

※上記はシワ改善の効能が厚生労働省より認められた成分です。

セラミドやヒルロン酸は、肌にうるおいを与える効果に長けた保湿成分。
皮脂分泌の少ない首にも、皮脂の代わりにしっかりとフタをして水分を閉じ込めてくれます。

ニールワンをはじめとするシワ取り成分は、厚生労働省から承認された「シワ改善の3大成分」。
「医薬部外品」「シワ専用」と記載されたアイテムを選ぶのがおすすめです。

首のスキンケア手順は、下記の通り。

首のスキンケア方法

  1. たっぷりの化粧水を首に馴染ませる
  2. 化粧水を染み込ませたコットンシートを首に巻いて3分間パック
  3. 3分たったらシートを取り、乳液や美容クリームを塗る

スキンケアは化粧水だけだと蒸発してしまうので、乳液や美容クリームでフタをしてください。

乳液ではなく、首専用の「ネッククリーム」を使うのもあり。
首の保湿やシワ改善を目的とした専用クリームなので集中ケアできるでしょう。

時間に余裕があれば、コットンシートを首に巻いてパックするのもおすすめです。

マッサージ・エクササイズをプラスすると効果的

シワ改善にはスキンケアとあわせて、マッサージやエクササイズ、ストレッチで首の筋肉を鍛えるのも大切です。

首の筋肉は日常生活では伸ばす機会が少ないので、凝り固まって衰えがち。
首の体操で広頚筋を伸ばすことでしなやかになり、首のシワ緩和につながります。

マッサージについては、やさしく、心地よい範囲で、適度に行うようこころがけましょう。

力を入れすぎたり、やりすぎは皮膚や筋、筋肉を傷めて、かえってたるみが悪化する場合もあるので注意してください。

首のマッサージ方法
  1. 化粧水または乳液を首につける
  2. 両手の人差し指で耳下〜鎖骨にかけて下向きにさする(10回)
  3. 右手をあご下、左手を鎖骨側に添えて首を掴む
  4. 右手を上に、左手を下にグーっと引っ張っていく(10秒)
  5. 耳下から鎖骨中央に向かってさすり下ろす(3回)
首のストレッチ方法
  1. 左手を右側の鎖骨の外側に添える
  2. 鎖骨を押さえたまま、顔を左斜め45度に向けて伸ばす(3回)
  3. 右側の鎖骨中央に左手を添えて、顔を左斜め60度に向けて伸ばす(3回)
  4. 鎖骨中央のやや右側に左手を添えて、顔を左斜め80度に向けて伸ばす(3回)
  5. 左側も同様に行う
首のエクササイズ方法
  1. 顔を真上に向ける
  2. その状態のまま口を開けて5秒キープ
  3. 口を閉じて5秒キープ
  4. ②〜③を3セット行う
  5. 顔を真上に向けたまま「い」の口にして5秒キープ(3回)

マッサージをする前には、乾燥しないように保湿ケアをするのがポイント。
両手で首を引っ張る時は、グーっとゆっくり伸ばすのを意識しましょう。

ストレッチとエクササイズは、筋肉がほぐれているお風呂上がりに取り組むのがおすすめです。

枕や紫外線対策で日頃から首のシワ予防も大切

首のシワを目立たせないためには、予防して悪化させないことも重要です。

生活習慣を見直して、できることから取り組んでいきましょう。

枕の高さを見直す

首のシワ予防をするなら、枕の高さは3〜5cmが目安
枕が低すぎると血行不良につながるので、程よく高さがあるものを使いましょう。

特に高さのある枕を使っている方は要注意。
枕に高さがあると頭が上がり、アゴを引く体勢になり首にシワができやすくなります。

1日の中でも3分の1を占めている睡眠。
シワができた状態で寝るとそのまま定着しかねないので、枕の高さが適切か見直してみてください。

1年を通して紫外線対策する

1年を通して紫外線対策を心がけるのが、首のシワ予防には重要。

先述の通り、首は顔よりも皮脂量が少なく、外部刺激を受けやすい部分。
紫外線ダメージを受けると乾燥しやすくなり、首のシワを増やしかねません。

日焼け止めクリームの強さは、普段使いならSPF15~20/PA++程度が目安。

  • 外出の15~30分前に塗る
  • 2~3時間ごとにこまめに塗り直す

など工夫すれば、十分に紫外線ダメージを防ぐことができるでしょう。

日焼け止めクリームはSPFが高くなる分だけ肌への刺激も強くなるので、頻繁に使うと乾燥を招くので要注意。
真夏のレジャーなど強い日差しにあたるときだけ使うなど、使い分けてください。

日焼け止めを塗るだけでなく、ツバあり帽子をかぶったり日傘をさしたりするのもおすすめ。
冬は夏より太陽の位置が低く首に紫外線があたりやすいので、冬も忘れず紫外線対策を行ってください。

正しい姿勢を意識する

猫背になりがちな方やスマホ操作が多い方は、正しい姿勢を心がけましょう。

自宅でスマートフォンを使う際は、腕を上げて画面の位置を高く保つようにしてみてください。
仕事でパソコン操作をしているなら、スタンドで画面を目線の高さに調整するのがおすすめです。

汗はこまめに拭き取る

汗をこまめに拭き取るのも、首のシワ予防には欠かせません。

汗をかいてそのままにしていると、汗と一緒に皮ふの水分も蒸発しやすくなります。
特に夏場などは首の汗をこまめに拭き取るのを意識してみてください。

また、摩擦による乾燥を防ぐために、ゴシゴシこすって拭き取るのは避けましょう。
タオルをポンポンと押しあてるように汗を拭き取るのがポイントです。

肌代謝を高める栄養を摂る

食生活に偏りがある方は、食生活の見直しが首のシワ予防につながります。

ハリのある健やかな肌を保つために、ビタミン類を含む食品を積極的に摂取してみましょう。

  • ビタミンA:皮膚の粘膜を健康に保つ
    ⇒卵、乳製品、豚肉、にんじん、ほうれん草 など
  • ビタミンB2:ターンオーバーを整える
    ⇒レバー、青魚、アーモンド、大豆食品、卵 など
  • ビタミンC:肌のうるおいと弾力に関わるコラーゲン生成を助ける
    ⇒柑橘類、ほうれん草、トマト、ブロッコリー など

首のシワは加齢だけでなく、スキンケア不足や姿勢の悪さが原因でできることがあります。
30代後半の方はもちろん、20代〜30代前半の方もしっかりケアすることが大切です。

スキンケアだけでなく、マッサージやエクササイズとあわせて改善していきましょう。

✔︎首のシワ取りにおすすめの化粧品成分

【高保湿成分】

  • セラミド
  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • アミノ酸
  • グリセリン
  • スクワラン

 

【シワ改善成分】

  • NEI-L1(ニールワン)
  • 純粋レチノール
  • リンクルナイアシン

※上記はシワ改善の効能が厚生労働省より認められた成分です。

>>スキンケアのポイントを見直す

✔︎首のシワ取りに効くマッサージ・ストレッチ

首のマッサージ方法
  1. 化粧水または乳液を首につける
  2. 両手の人差し指で耳下〜鎖骨にかけて下向きにさする(10回)
  3. 右手をあご下、左手を鎖骨側に添えて首を掴む
  4. 右手を上に、左手を下にグーっと引っ張っていく(10秒)
  5. 耳下から鎖骨中央に向かってさすり下ろす(3回)
首のストレッチ方法
  1. 左手を右側の鎖骨の外側に添える
  2. 鎖骨を押さえたまま、顔を左斜め45度に向けて伸ばす(3回)
  3. 右側の鎖骨中央に左手を添えて、顔を左斜め60度に向けて伸ばす(3回)
  4. 鎖骨中央のやや右側に左手を添えて、顔を左斜め80度に向けて伸ばす(3回)
  5. 左側も同様に行う
首のエクササイズ方法
  1. 顔を真上に向ける
  2. その状態のまま口を開けて5秒キープ
  3. 口を閉じて5秒キープ
  4. ②〜③を3セット行う
  5. 顔を真上に向けたまま「い」の口にして5秒キープ(3回)

さらに、首のシワを悪化させないために生活習慣の見直しも重要。
季節を問わず首の紫外線対策を徹底する」「適切な高さでスマホを操作する」など、できるところから取り組んでみてください。

見落としがちですが、首は10年、20年後の見た目の若々しさに大きく影響する部分です。
年齢を問わず、早めの対策で首の美しさをキープできるようになるでしょう。