ニキビに悩んで皮膚科に行った人に処方されるのが塗るタイプの治療薬。
ニキビができた部位に塗ることで、ニキビケアを手助けしてくれます。
しかしまだ皮膚科でニキビの治療を受けたことがない人は、どんな薬が処方されるのか不安な人も多いはず。
そこで今回は病院で処方してもらえるニキビ治療薬の種類・効果・副作用などについて紹介していきます。
Contents
皮膚科のニキビ治療薬の効果とは
ニキビ治療薬(塗り薬)を効果から大きく分けると「角質を剥がれやすくする薬」と「炎症を抑える薬」の2つになります。
これはニキビが毛穴が詰まっている段階(白・黒ニキビ)か、アクネ菌が繁殖して炎症が起きている段階(赤・黄ニキビ)かに分かれるからです。
まず毛穴が詰まっている段階のニキビを治すには、「角質を剥がれやすくする薬」を使います。
この段階のニキビは、肌の代謝を良くして毛穴詰まりを取り除くのが効果的です。
一方アクネ菌の繁殖で炎症が起きたニキビを治すには、「炎症を抑える薬」を使います。
炎症がアクネ菌によって起きているので、アクネ菌を殺菌して対処していくイメージです。
このように皮膚科では、白・黒・赤・黄などそれぞれのニキビの状態に合った治療薬を処方してもらえます。
角質を剥がれやすくする効果がある塗り薬
剥がれにくくなった古い角質を除去する効果=ピーリング効果のある薬です。
代謝を良くして肌のターンオーバーを促すので、毛穴詰まりが解消します。
炎症を抑える効果はないので、白・黒ニキビに効果的です。
毛穴詰まりを解消することでアクネ菌が繁殖しにくくなるので、ニキビの炎症を予防できます。
ただピーリングの作用で一気に肌の代謝が上がるため、副作用があるのが難点です。
特に最初の2週間は、ほとんどの人に乾燥・皮むけ・赤み・かゆみなどの症状が起きます。
使い続けるうちにだんだんと肌が落ち着いてくるので、根気よく使い続けましょう。
それでも副作用が全く改善しないときは、使用を中止しかかりつけの医師に相談してください。
ディフェリンゲル0.1%
アダパレンという成分が配合されたニキビ治療薬です。
角質を薄くして皮脂を排出しやすくすることで、白・黒ニキビを改善してくれます。
ゲル状の軟膏を、1日1回ニキビができている範囲に塗ってください。
ピーリング効果により、乾燥・皮むけ・赤み・かゆみなどの副作用があらわれることがあります。
しかし2週間ほどで症状は落ち着いてくるので、自己判断で中止しないようにしましょう。
肌の乾燥・ヒリヒリ感があったときは、クリーム等でしっかり保湿することが大切です。
それでも症状が改善しないときは、使用を中止しかかりつけの医師に相談してください。
【ディフェリンゲル0.1%の注意事項】
- 眼、眼のまわり、その他の粘膜、傷口には使用しない
- 使用中は紫外線・日焼けランプなどを避ける
- 妊娠中・授乳中の人は使用しない
- 直射日光・湿気を避けて室温(1〜30℃)で保管する
ニキビの炎症を抑える効果がある塗り薬
ニキビの炎症を抑えるためには抗生物質を使います。
抗生物質は、細菌が増えて悪化するのを防ぐ薬です。
ニキビの炎症を起こしているアクネ菌の増殖を阻害して、ニキビの炎症を抑えてくれます。
人によってはかゆみや乾燥・刺激感などの副作用がでることもありますが、ほとんどの人は問題ありません。
ただ長期間使用し続けると効果がなくなってしまうのがデメリットです。
抗生物質に対抗する力をつけた耐性菌ができてしまいます。
1度耐性菌ができてしまうと、どんなに塗り続けても効果はありません。
使ってみても「全くニキビが改善しない」というときは、違う種類の抗生物質を処方してもらう形になります。
赤・黄ニキビの炎症が治まったらすぐに使用をストップしてください。
長くても3ヶ月~6ヶ月までにし、自己判断で使い続けるのは控えましょう。
ダラシンTゲル1%
クリンダマイシンリン酸エステルを主成分としています。
ニキビ治療薬の中で一番定番の外用薬で、リンコマイシン系の抗生物質の一種です。
細菌が増殖するときに作られるタンパク質の合成を阻害します。
アクネ菌はタンパク質を作れないと壊れてしまうので、増殖できなくなってしまいます。
透明のゲル状の軟膏を、1日2回炎症が起きている赤・黄ニキビに使用します。
主な副作用として、かゆみ・赤み・蕁麻疹・刺激感・ヒリヒリ感・つっぱり感などがあります。
このような症状を感じたときは、使用を中止しかかりつけの医師に相談しましょう。
アクアチムクリーム1%
ナジフロキサシンを主成分としています。
ニキビの他にもおできやとびひなど皮膚の感染症にも効果的な、キノロン系の抗生物質の一種です。
アクネ菌などの細菌が自分のコピーを作るのを邪魔してくれます。
複製できなくなるので、アクネ菌の増殖が抑えられるという仕組みです。
白色のクリームを、1日2回赤・黄ニキビができている箇所にだけ使用します。
人によっては、かゆみ・赤み・乾燥・刺激感などの副作用がでることもあります。
このような症状を感じたときは、すぐに使用を中止しかかりつけの医師に相談しましょう。
ゼビアックスローション2%
オゼノキサシンを主成分としています。
抗生物質の種類はアクアチムクリームと同じタイプのキノロン系です。
透明のローション剤を、1日1回炎症が起きているニキビに使用します。
副作用としては乾燥・刺激感などがあります。
ローションタイプで乾燥しやすいため、塗る前にしっかり保湿を心がけましょう。
どちらの効果もある塗り薬
角質を剥がれやすくする効果と炎症を抑える効果の2つを併せ持った塗り薬もあります。
2015年に保険適用になったばかりの、ニキビ治療薬の新薬です。
特に殺菌効果は抗生物質よりも強力です。
肌に塗ると活性酸素(=強力な殺菌作用を持っている酸素)を発生させて、アクネ菌を死滅させます。
さらに抗生物質のように耐性菌ができることもないので、長期間使用の制限もありません。
ただその分肌への刺激が強くなってしまうのが懸念点です。
酸化作用によりお肌をサビつかせたり、肌本来のバリア機能を低下させたりすることがあるので、使用するときは十分注意しましょう。
刺激が強く肌に合わない場合もあるので、医師としっかり相談して肌に合うか見極めましょう。
ベピオゲル2.5%
過酸化ベンゾイルを主成分とした塗り薬です。
副作用としては、乾燥・皮むけ・刺激感・ヒリヒリ感・赤みなどがあります。
ピーリングの効果によるものなので、1ヶ月以内に改善することがほとんどです。
稀に赤みやただれなどの症状を引き起こす、接触性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎を起こすこともあります。
副作用が強いときは自己判断で続けずに、かかりつけの医師に相談するようにしてください。
【ベピオゲル2.5%の注意事項】
- 1日1回(夜)しか使用しない
- 眼・眼のまわり・その他の粘膜・傷口には使用しない
- 漂白作用があるため髪・衣料などに付着させない
- 使用中は強い紫外線・日焼けランプなどを避ける
- 凍結を避けて25℃以下で保管する
エピデュオゲル
過酸化ベンゾイル+ディフェリンゲルの主成分(アダパレン)を合わせた塗り薬。
単体でも肌に負担をかけやすい過酸化ベンゾイルに、さらに角質を剥がれやすくする成分が追加されているので、かなり刺激は強いです。
使うときは少量から始め、問題がなければ2日目・3日目と少しずつ量を増やしていきます。
副作用として刺激感・痛み・赤み・ヒリヒリ感などがあります。
このような症状を感じたときは、すぐに使用を中止しかかりつけの医師に相談しましょう。
【エピデュオゲルの注意事項】
- 1日1回(夜)しか使用しない
- 眼・眼のまわり・その他の粘膜・傷口には使用しない
- 漂白作用があるため髪・衣料などに付着させない
- 使用中は強い紫外線・日焼けランプなどを避ける
- 直射日光を避け室温(1~30℃)で保管する
- 妊娠中・授乳中の人は使用しない
デュアック配合ゲル
過酸化ベンゾイル+ダラシンTゲルの抗生物質(クリンダマイシンリン酸エステル)を合わせています。
こちらも過酸化ベンゾイルに、抗生物質が追加されているので刺激は強めです。
さらに抗生物質が入っていて耐性がついてしまうので、長期間の使用はNG。
3ヶ月使っても効果が得られないときは使用を中止しましょう。
副作用として、乾燥・かゆみ・かぶれ・赤みなどがあります。
このような症状を感じたときは、すぐに使用を中止しかかりつけの医師に相談してください。
【デュアック配合ゲルの注意事項】
- 1日1回(夜)しか使用しない
- 眼・眼のまわり・その他の粘膜・傷口には使用しない
- 漂白作用があるため髪・衣料などに付着させない
- 使用中は強い紫外線・日焼けランプなどを避ける
- 冷蔵庫(2~8℃)で保管する
シロノクリニックオリジナルの塗り薬
シロノクリニックでは患者様の副作用や効果を考え、オリジナルで塗り薬を開発しています。
AGクリーム
複数の抗生物質をブレンドして作ったクリーム。
抗生物質なので、炎症が起きている赤・黄ニキビのケアに効果的です。
まずいろいろな抗生物質を混ぜることで抗菌域が広がるので、効く・効かないが分かれにくくなります。
また耐性菌も作りにくくなるので、長期間の使用にも強いのが特徴です。
ADゲル
ディフェリンゲルの主成分であるアダパレンと肌なじみのいいクリームを混ぜたゲルです。
配合濃度を薄めているので副作用が起きにくく使いやすくしてあります。
古い角質を取り除いてくれるので、毛穴詰まりが原因の白・黒ニキビに効果的です。
ADゲルでも3日間くらいは、乾燥・皮むけなどの副作用がでることもあります。
ほとんどの人が1週間ほどで落ち着いてくるので、様子をみて使ってください。
取材にご協力いただいた「シロノクリニック」池袋院の詳細
シロノクリニックは全国に6院(池袋・恵比寿・銀座・横浜・大阪・札幌)展開している美容皮膚科。
飲み薬・塗り薬の他、レーザーなどの機械で、ニキビの予防からニキビ跡までトータルに治療できるのが特徴です。
保険診療が適用されない機械を使った治療を行うことで、できてしまったニキビをしっかり治せます。
ニキビケアにおける実績は15万件以上。
初診数は月100件を超え「他の病院に行ったけど良くならなかった…」という患者様も多く来院されています。
ニキビ治療の他にもシミ・しわ・たるみのレーザー治療でも人気なクリニックです。
◆診療時間
10:30~19:00(月曜・祝祭日・年末年始/予約制)
◆アクセス
【住所】
〒171-0021 東京都豊島区西池袋3-25-11 CIC IKEBUKURO BUIL8F
【電車で来院される方】
・JR「池袋駅」西口より徒歩6分
・「池袋駅」西口(地下通路)1b出口より徒歩1分
◆クリニックのHP
https://www.shirono.net/
日本化粧品検定3級” text=”正しい情報をわかりやすくお届けすることを意識しています。ニキビをはじめとする肌トラブルの改善をお手伝いできたらうれしいです。”]